暮らしの歳時記/夏の行事・楽しみ方(6~8月)

二十四節気「芒種」とは?2024年はいつ?読み方や意味・七十二候・過ごし方を解説

二十四節気のひとつ「芒種」とは? 芒種の読み方や意味・由来、2024年はいつか、芒種の時期の七十二候、過ごし方、食べ物などを解説します。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

 二十四節気の「芒種」とは? 2024年はいつ? 意味や過ごし方

芒種とは、穂の出る穀物の種をまく時期。日本では、苗代に種をまいて育てた苗を田植えする方法で米を育てます

芒種とは、穂の出る穀物の種をまく時期。日本では、苗代に種をまいて育てた苗を田植えする方法で米を育てます

芒種は二十四節気のひとつです。今年の芒種の時期、意味、芒種の七十二候、過ごし方などについて解説します。
<目次>

芒種の読み方、意味・由来、どんな時期?

芒種の「芒」は、稲穂や麦穂の穂先にある細い毛のような部分を指す

芒種の「芒」は、稲穂や麦穂の穂先にある細い毛のような部分を指します

「芒種」は「ぼうしゅ」と読みます。芒種とは、米や麦など穂の出る穀物の種をまく時期という意味で、とくに米を指しています。日本では水田に直接種をまかず、苗代で育ててから田植えをする方法を受け継いできました。米は寒冷に弱い性質をもっていたため、この時期に種をまいていました。品種改良の進んだ現在は、もっと早く行われています。
 
田植えをするまでに育った苗は、「早苗」「若苗」「玉苗」などと呼ばれます。「玉」という美称をつけるほど愛しんでいたのですね。

芒種の「芒」は、稲穂や麦穂などイネ科の植物の穂先にある細い毛のような部分を指します。「芒」は訓読みで「のぎ」と読み、漢字の禾(のぎ)偏と同じ意味です。 
 

2024年の芒種はいつ?

芒種とは二十四節気のひとつ。二十四節気は季節の移り変わりを知るための目安で、その年の太陽の動きに合わせ1年を24等分して決めます

芒種とは二十四節気のひとつ。二十四節気は季節の移り変わりを知るための目安で、その年の太陽の動きに合わせ一年を24等分して決めます

2024年の芒種は6月5日。期間でいうと6月5日から6月20日です。

毎年6月6日頃~6月20日頃にあたりますが、日付が固定されているわけではありません。二十四節気は季節の移り変わりを知るために、一年を約15日間ごとに24に分けたものですが、太陽の動きに合わせて一年を24等分して決めるので一定ではなく、1日程度前後することがあるからです。

そのため、芒種といっても、芒種に入る日を指す場合と、芒種(二十四節気の第9)から夏至(二十四節気の第10)までの約15日間をいう場合があります。
 
二十四節気では、芒種の前は万物が次第に成長し天地に満ち始める「小満」、芒種の次は一年で最も昼が長い「夏至」となります。

~芒種前後の二十四節気の移り変わり~
 小満 → 芒種 → 夏至
 

西日本から梅雨入り

いよいよ梅雨の時期を迎えます

いよいよ梅雨の時期を迎えます

芒種のころは暑さが日一日と増し、湿度も高くなります。そして西日本から梅雨入りし、梅雨前線が北上していきます。

ひと足先に梅雨入りする沖縄では、二十四節気の小満と芒種のころにあたるので、「小満芒種」と書いて「すーまんぼーすー」と発音し、梅雨の意味で使われています。
 

芒種の初侯・次侯・末侯

二十四節気をさらに3つに分けた七十二侯は、芒種の間にこのように移り変わります。
※日付は、2024年の日付です。

●初侯:蟷螂生(かまきりしょうず)6月5日頃
ピンポン球ほどの卵から、数百匹のカマキリの赤ちゃんが誕生します

ピンポン球ほどの卵から、数百匹のカマキリの赤ちゃんが誕生します

カマキリが卵からかえる頃。木の枝などに産み付けられたピンポン球ほどの卵から、数百匹の子が誕生します。とても小さな赤ちゃんカマキリですが、親と同じように鎌までもっており、自分で虫をとって食べながら成長していきます。
 ↓
●次侯:腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)6月10日頃
蛍が舞い光を放ちはじめる頃となります

蛍が舞い光を放ちはじめる頃となります

草の中から蛍が舞い、光を放ち始める頃。昔の人は、草場から蛍が舞う様子を見て、枯れて腐った草が蛍になったと思ったのです。日本にはさまざまな蛍がいますが、有名な「源氏蛍」と「平家蛍」は水辺の蛍、「姫蛍」は陸地の蛍です。
 ↓
●末侯:梅子黄(うめのみきばむ)6月16日頃
梅の実は熟すにつれ黄みをおびてきます

梅の実は熟すにつれ黄みをおびてきます

梅の実が黄ばんで熟す頃。青い梅が次第に黄色みをおび、赤く熟していきます。熟していない梅の実は、生で食べると体に悪いため、梅干しや梅酒などにしてきました。
 

芒種の過ごし方・食べ物

紫陽花は濡れた姿も美しく、梅雨に彩りを添えます

紫陽花は濡れた姿も美しく、梅雨に彩りを添えます

梅雨のシーズン。実際の梅雨入りは気象庁によって発表されますが、農作業をするうえで梅雨を知るのは重要なので、暦には6月11日頃に「入梅」という雑節があり、梅雨入りの目安としてきました。梅雨を快適に過ごせるようにしておきましょう。

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紫陽花や梅雨の美しい言葉など梅雨に関する豆知識を知っておくと、雨の日が楽しくなります。

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また、この頃は蛍狩りのシーズンです。蛍がみられる環境を大事にしてください。芒種の期間に父の日(6月の第3日曜日)もやってくるので、プレゼントも用意して。お中元の手配もこの時期に進めておくと慌てずにすみます。

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芒種の頃に旬を迎えるのが、サクランボの佐藤錦です。サクランボは品種によって旬が異なりますが、日本で最も生産量が多い佐藤錦は6月頃が旬。赤いルビーと呼ばれる艶やかな実で、初夏の味わいです。また、旬のラッキョウが出回る頃なので、料理や自家製漬物にして楽しめます。


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