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4Kは本当に必要か? ソニーの4Kテレビ第二弾が発売(2ページ目)

ソニーから4Kテレビの第二弾が発売されます。コンペティティブな65Vと55Vの二サイズ。「4Kは本当に必要か?」という議論への答えがここにあります。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド



クオリア005に搭載の“トリルミナス”が復活。
ただしRGB方式でなく、変換技術で広色域を達成
 

前置きが長くなりましたが、KD-65X9200A/55X9200Xを紹介しましょう。まず、KD-65X9200AとKD-55X9200Aのプロフィルをざっとおさらいしておきましょう。両機共にVA方式4Kパネル(画素数3840×2160)を搭載します。LEDバックライトの配置は直下型でなくサイド、テスト信号を入力した際の光の広がり方から上下配置と推察されます。部分制御(ローカルディミング)の分割数は非公開で駆動は2倍速です。

ご記憶の方が多いと思いますが、2004年のKDX-46Q005(QUALIA005)に搭載されたRGB直下方式LEDバックライトがLEDトリルミナスでした。KD-65X9200AとKD-55X9200Aでこのトリルミナスが復活しました。両機のLED光源はRGB独立でなく一般的な擬似白色LEDの一種ですが、変換技術でRGBに迫る広色域を得たため今回“トリルミナス”の名称が復活搭載しました。その実力のほどは次ページで紹介します。
新トリルミナス

新トリルミナスの概念。RGB直下でないが、変換技術で広い色域を達成



映像エンジンには、4K X-reality PROを搭載、ノイズ低減、複数枚パターン分析処理、複数枚データベース型超解像処理、パターン分析、2K入力4出力用データベース型超解像処理を一枚のLSIに集約しています。パネルは2倍速。注目の4K入力(今は出番がありません)は24Pと30Pに対応、現状で60Pには対応しません。

「ブラビア史上最高音質」を狙い、
オーディオは全て新規開発
 

KD-65X9200AとKD-55X9200Aで目を奪われるのは、左右に展開する2ウェイのスピーカーです。サランネットは付属せずむき出しですが、幼児がトゥイーターのドームを指で押して凹ませてもすぐに復元する素材だそうです。

「ブラビア史上最高音質」を狙い誕生

KD-65,55X9200AのCIのようなスピーカーシステム。サランネットは付属しない



オーディオはオール新規開発、フロント2ウェイ(ウーハー+パッシブラジエター、トゥイーター)に背後のスーパーウーファーという構成で、注目したいのは、ウーファーに昨年来ソニーのゼネラルオーディオを皮切りに採用が始まった<磁性流体スピーカー>を採用しています。磁性流体が液体ベアリングとしてコイルに追従して動くため、一般のダイナミック型に見られるダンパー等の機械的支持体をなくすことが出来ました。

磁性流体についてもう少し説明すると、95%が油+酸化鉄で、磁力に引き付けられ常時必要個所に存在する仕組を利用します。メカニカル部品がないため軽量化することが出来、レスポンスとストローク量が増え高効率化し、通常駆動方式に比較して2.2dB音圧を伸ばすことが出来ます。しかもダンパーから発生する二次音声(つまりノイズ)がないため高調波歪が30%減少し、高音質化という副産物も生れました。

これをクラスDデジタルアンプで駆動し、コンデンサの大容量化、コイルの大型化で出力ワッテージを強化、広がり感、S/N、量感共に4K 55/65Vに相応しい音質を得たというわけです。
磁性流体でレスポンスを高め、ノイズも追放

磁性流体を採用、ダンパー等メカニカル部品を省略することが出来た



機能面を眺めると、インターネットを利用した検索機能を強化した他、スマホ、タブレットとの連携に注力が図られています。MHLの他、TV SideView(番組詳細情報、声で操作、ルームリンク映像再生他)、ミラーリング(スマホの画面をテレビに映す)等があり、放送やパッケージを越えての大画面の多彩な利用価値の提案といえるでしょう。
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