骨・筋肉・関節の病気/骨・筋肉・関節のしくみ・病気の初期症状

肩こりがひどい人は注意!腕・指のしびれなどが起きる「頚肩腕症候群」とは

【カイロプラクティック理学士が解説】「頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」とは、首筋や肩、腕などにこりや痛み、しびれなどを起こす、とても身近な症候群です。パソコン作業の多い方などに多く、悪化すると日常生活に支障をきたすことも。症状と対策法、悪化予防と緩和に効果的な腕のストレッチ法などをご紹介します。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)とは

くび、肩まわり、腕などに痛みやしびれなどの不快な症状が生じる頚肩腕症候群

くび、肩まわり、腕などに痛みやしびれなどの不快な症状が生じる頚肩腕症候群


「頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)」は、耳慣れない方が多いかもしれませんが、実はとても身近な症候群です。

「頚肩腕症候群」は、文字通り首や肩周り、腕に症状が表れるものなのですが、症状や程度には個人差があります。パソコン作業でマウスなどを操作することが多い人に、このような症状に悩むケースが増えています。パソコンに限らず、手や腕を酷使する職業や趣味を持つ人にもみられます。自覚症状には、次のようなものがあります。
 

頚肩腕症候群の症状・似ている病気

  • 肩こりがひどい、首、背中の筋肉が張って痛い
  • 手・指がしびれる
  • 手の力が入りにくい
  • 腕の筋肉が重だるい、動かすと痛む
  • 腕や手の冷え感
  • 頭痛、めまい
 
日々のデスクワークが要因となる場合があります

日々のデスクワークが要因となる場合があります

あてはまるものが一つでもあると、広い意味では「頚肩腕症候群」の可能性ありということになります。整形外科などを受診し、他の疑わしい疾患の検査を受け、体のどこに問題があるのかを鑑別することになります。手や指のしびれや痛み、筋力の低下の原因を探っていきます。

検査の結果、頚椎椎間板ヘルニアや変形性頚椎症などの頚椎の疾患、腱鞘炎、胸郭出口症候群などの名称がつき、分類されるものもあります。疾患名がつかないその他の上記のような症状は、原因のつかめない「頚肩腕症候群」と呼ばれることが多いようです。

 

頚肩腕症候群の対処法・治療法

まとまった休息時間をとることで、症状がやわらぐことがあります

まとまった休息時間をとることで、症状がやわらぐことがあります

頚肩腕症候群の症状は、仕事などでパソコンや一定の手作業を繰り返し、同じ部位に負担が蓄積してしまうことが原因で起こると考えられます。特に時間に追われるような業務内容であったり、集中して急いでパソコンキーを入力するような作業もリスクが高いでしょう。

そのため、仕事からしばらく離れて休養すると、症状が改善される場合があります。思い切って療養できる期間を設けることが回復への近道です。

症状がひどくなると、そのつらさから精神的にも影響を受け、日常生活にも支障をきたすようになります。悪化させないためには、労働環境を見直すことも重要なのですが、残念ながら仕事内容などはそう簡単に変えられるものではないため、首や肩、腕に負担を蓄積してしまう方が多いようです。
 

頚肩腕症候群の不快症状の改善法

  • 心身が楽に保てるようデスクワーク、パソコンワークの環境を整える
  • パソコンの作業はなるべく1時間ごとに10分程度休憩をとる
  • 同じ姿勢を保つことで硬くなりがちな肩甲骨周りの筋肉をほぐす
  •  頭をゆっくり回して首の筋肉をストレッチする
  • 1日の中で好きなことで楽しむ時間やゆったりリラックスできる時間をつくる
  • 鍼灸・マッサージ院などで筋肉の緊張を緩和させる
 

頚肩腕症候群の予防と緩和に効果的な腕のストレッチ

デスクワークやパソコン作業が続くと、首に負担をかけない姿勢を保つことが難しくなります。その結果、肩こりをはじめ腕、手につながる神経、血流に問題を起こしやすくなります。

首や肩周辺の筋肉をストレッチすることに注目しがちですが、それだけではなく、いつのまにか疲労している腕の筋肉にも刺激をいれてあげることが大切です。腕の筋肉の疲労度合いで、肩のこり方が変わってくるため、腕のストレッチはぜひ試していただきたいです。
 
1.ゆっくりと手首を手前へ

1.ゆっくりと手首を手前へ

1. 最初は両腕を前に出したポジションから始めます。ゆっくりと、手首だけを自分の方へ曲げていきます。

(曲げられるところまで)曲げたまま5~10秒間キープさせます。つりそうな人は短めに。この時、手首を曲げた反対側の腕の筋肉が伸ばされます。
 
2.右手首を先ほどと反対側へ

2.右手首を先ほどと反対側へ

2. 右手首を「1」とは反対側へ曲げていきます。最初のポジションでは力を入れていましたが、ここでは手首の力を抜き、左手で手首が反対側へ曲げるように押していきます。

「1」とは反対側の腕の筋肉が伸ばされます。5~10秒間ほどキープしましょう。
 
3.同様に左手首も行います

3.同様に左手首も行います

3. 同様に左手首を行います。腕の筋肉の硬さにより、左右でつっぱりの感じ方も違うと思います。

(最初は筋肉が硬くて痛く感じるかもしれませんので、無理はしないように。)
「1」~「3」を数回繰り返してみましょう。
 

肩こりがひどい場合、ストレッチをする際の注意事項

肩こりがひどい人や手を使う職業の人は、腕の筋肉が予想以上に硬くて伸びにくくなっている可能性があります。急激にストレッチを加えると痛めるかもしれませんので、手首を曲げながら、腕の筋肉の硬さや痛さを確認しつつ加減して行ってください。

また、肩こりや腕の筋肉の張りなどには、運動が良いと言われますが、症状が強い場合は、筋力アップのトレーニングをすると、かえって症状が悪化することがありますので、回復するまではご注意くださいね。
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