アトピー性皮膚炎/イベント・行事参加の注意

アトピーでプールに入るときの注意点

喘息でも負担の少ないプールでの運動。その一方、プールの水に含まれている塩素は、体に様々な影響を及ぼします。今回は、プールとアトピーの関係についてご説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

運動で喘息が起きるのはなぜ?運動誘発喘息で、水泳は、喘息に負担の少ない運動として紹介しました。これから夏の季節、プールに行くことがあると思います。そこで、プールについて説明したいと思います。

アトピーにとってプールは?

暑い日には、プールに行きたくなりますね
夏の季節で、汗をかくことが多くなります。汗は、アトピーにとって、悪化因子になります(スキンケアを参考にしてください)。その意味では、水泳は、汗を常に洗い流してくれますので、アトピーにとっていい運動と言えます。皮膚が乾燥しにくい運動でもあります。

しかし、以前、アトピーでも海や川に行けるの?で説明しましたが、プールの水には塩素が含まれています。アトピーの湿疹は、塩素の刺激で、かゆみが強くなったり、湿疹がひどくなります。そのため、プールから出たら、プールの水をしっかりと洗い流すことが重要です。

アレルギーにとってプールは?

プールとアレルギーについては主に塩素とアレルギーの関係の論文が見られます。

■プールと喘息
運動で喘息が起きるのはなぜ?運動誘発喘息でも説明していますが、水泳は、喘息にとって負担の少ないスポーツです。水泳は喘息での運動療法として、呼吸する筋肉を鍛えることで、痰を出す鍛錬(たんれん:鍛えること)にもなります。
しかし、一方で、プールの水の塩素ですが、塩素による気道への障害が報告されています(Bernardらの報告 2003)。

■プールと花粉症
2006年にドイツから、花粉症への影響についての報告がありました。
子供の頃にスイミングスクールに通っていた子供が大人になると、花粉症になりやすいという報告があります。35歳から74歳までの大人2606人で、子供の頃に水泳用のプールで塩素化副生成物によく接していた場合は、花粉症を発症する危険率が高い。プールの利用頻度と関連していた。塩素化副生成物によって、肺などの気道の障害が起こり、その部分で、花粉と接触して、花粉症になりやすいのではないかと言われています。(Kohlhammerらの報告  2006)

とはいえ、塩素の入っていない水では、細菌が増えてしまいます。この細菌によって、様々な感染症を起こすことになります。

塩素は殺菌のためには必要です。どのように対応すればよいのでしょうか?

次のページでは、プールの後の注意点をご紹介します。
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