ジュエリー/その他のジュエリー関連

ジュエリーの裏側にある刻印の意味とは?

ジュエリーの裏側に刻印された小さな数字や記号、アルファベット…シルバーやプラチナといった種類やブランドによってその刻印は異なります。そこに隠されたさまざまな意味を読み取る上級ワザを詳しく解説します。

執筆者:本間 恵子

手持ちのジュエリーの裏側を、ちょっとひっくり返してみて! そこには数字やアルファベットが刻まれているはず。外国製のジュエリーなら、何やら絵が入ったごく小さな模様……のようなものもあるかも。これが一体何なのか、知ってみたくはありませんか?

 

ジュエリーの裏側にある「750」刻印の意味とは?

試しに、わたしが愛用しているショーメの〈リアン〉リングをチェック。すると内側には「750」という数字と「CHAUMET」のブランド名、製品番号と思われる6桁の数字が刻まれていました。リングの手のひら側の外側には、小さなキズのように見える刻印がふたつ。さて、これは一体どんな意味?


▲内側に「750 CHAUMET」の文字。

▲左側のホールマークが「鷲の頭」。

まず「750」は、金の純度が1000分の750、つまり18金であることを意味しています。ヨーロッパでは金の品位を千分率で表記することが多く、日本ではK18とか18Kといった表記(純度が24分の18という意味で、KはKaratの略号。18Kinの略じゃないですよ)が多いのです。これを知っているだけで、このリングがプラチナ製ではなく、ホワイトゴールド製であること、そしてショーメというブランドを知らなくても、おそらくは外国製だろうことがすぐに見抜けます。

では、外側の小さな刻印は? このうちひとつは、ジュエリー製造者のメーカーズマーク。もうひとつは、フランスの造幣局の決まりによって打たれたホールマーク。鷲の頭をデザインした図柄で、これはゴールド製であることを表しています。フランスでは、銀のジュエリーには兜をかぶった女神ミネルヴァの頭、プラチナには犬の頭のマークを入れることが義務づけられていて、見かけだけでは金か銀か、またはプラチナなのかが判別できなくても、このマークを調べればすぐに素材がわかるから便利。

  
▲フランスのホールマーク。
左からミネルヴァの頭、鷲の頭、犬の頭。

▲蚤の市で買った銀のリング。
よ~く見るとミネルヴァの頭が……。

次に、ジュネーヴの蚤の市で買ったリングをチェック。内側に「925」の小さな文字を発見しました。これは貴金属の純度が1000分の925であるという意味で、92.5%の純度は銀製品に使われる典型的なもの。銀製品に対するこの刻印は、日本を含む世界のいろいろな国でも一般的に行われているので、まずはこのリングが銀であることがわかります。さらに、外側にミネルヴァがあったので、これでフランス製であることも判明したというわけ。

ちなみに、イギリス製ジュエリーのホールマークは、銀はライオンパサント(前足をあげた獅子)、金は王冠、プラチナは宝珠。このほか何年に製造されたものか、どの都市で試金分析を受けたかなどを表すマークも入ることがあり、より詳しい情報を得ることができます(このあたりの事情は複雑すぎるので、またの機会に)。

  
▲イギリスのホールマーク(スタンダードマーク)。
左からライオンパサント、王冠、宝珠。

銀製品は「Sterling Silver」とか「Sterling」、または「SS」とだけ書かれることもあります。いずれも925と同じ意味。

日本製の場合、造幣局が検定した貴金属には日の丸のホールマークが刻印されますが、この刻印が法律で強制されているわけではありません。ジュエリー大国イタリアにもホールマークの制度はなく、750とか925とかの品位の数字を刻印するだけです。

こうした刻印、とくにフランスのホールマークは、ときには小さなキズのように見えてしまいますが、くれぐれも消したりしないように。リングのサイズを直すときなどは、よく気をつけるように職人に頼むべき。刻印は、そのジュエリーがどういった出自なのかを示す最低限の手がかりなのですから。

ラストのページでプラチナブレスが当たります。最後まで読んでね!

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