寺・神社/京都の寺・神社

新緑の京都を歩こう1 奥嵯峨野と鳥居本編(3ページ目)

5月?6月は、京都を訪れるのに最適なシーズン。連休が終われば人出もぐっと減り、ゆっくり散歩できます。今回は数あるお勧めコースの中から、奥嵯峨野、鳥居本をご案内します。

吉田 さらさ

吉田 さらさ

寺・神社 ガイド

お寺、神社、仏像、宿坊に関する単行本と雑誌記事をメインとして執筆と写真撮影をしています。「散歩の達人」、「一個人」、「文藝春秋」。「クレア」など、幅広い読者層の雑誌に執筆経験あり。朝日カルチャーセンター新宿校にて「吉田さらさのふわり寺町めぐり」など、各種講座も開催中。

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平野屋さんでは、
お菓子とお茶もいただけます

平野屋は時代劇に出てきそうな建物
往時の鳥居本には、お参りの人々のための店が並び、たいへんな賑わいでした。現在、鳥居周辺に並ぶ見事な古民家は、当時の名残です。その中のひとつ、平野屋さんは鮎料理で有名な高級店で、古くは美空ひばりさん、最近では、氷川きよしさんなどの芸能人も訪れます。

●平野屋さんのホームページはこちらです

しかし高級な鮎料理は、当然のことながら、わたしには手が出ません。ならばここで何を食べるか。それは「しんこ」というお米の粉で作ったお菓子です。素朴なものながら、黒砂糖と黄な粉をまぶして食べると、めっぽうウマイ。

その上お抹茶と桜湯までついてくる、ということで、わたしは、奥嵯峨野歩きのときは、必ずここに寄って、店の前の緋毛氈を敷いた縁台で、ゆっくりお茶することにしています。お料理は11時半からですが、お菓子なら9時ごろからいただけるのも嬉しいですね。
しんこは右上。京都の伝統的なお菓子だが、最近では、珍しくなりつつあるようだ


写真は一本上の
道から撮るのがお約束

内部にも江戸時代のような雰囲気が漂います
このあたりの建物は皆そうですが、平野屋さんも、どっしりした美しい古民家で、内部も一見の価値がありますので、トイレに行く際に、じっくり見物してください。この建物は、四百年も前からここにあり、愛宕神社詣での人々にお茶やお菓子を提供していたんですよ。

外側もむろん素晴らしく、ここだけ見ていると、中からふいに江戸の旅人が出てきそうです。写真を撮りたい方は、一本上にある道路から見下ろすアングルがベスト。もみじの枝が立派な屋根に重なり、名カメラマンの気分でシャッターを押せます。紅葉シーズンのここの風景は、カレンダーや写真集で、誰でも一度は見たことがあるはず。でも、若々しい青いもみじも十分に美しいですよ。
上の道からもみじ越しに見下ろしたアングルがベスト

次のページはもうひとつの念仏寺、化野念仏寺に行きます。こちらにも石仏が無数に並んでいます。しかし、明るい愛宕念仏寺とは根本的にコンセプトが異なっていますが、そのわけは???

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