高校受験/推薦入試・内申書・通知表

高校推薦入試に向く受験生・向かない受験生とは

高校推薦は、受験の一般入試と比べると「おトク感」があるように感じられます。しかし、その特徴をよく把握しておかないと思わぬ落とし穴も。そもそもどんな制度なのか。高校推薦入試に向く受験生と向かない受験生についてシミュレーションしてみました。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

高校推薦入試、我が子は向いているタイプか?

高校推薦入試に向く受験生と、向かない受験生

内申点と実力からみた、推薦入試に向く受験生と、向かない受験生。

高校推薦入試に向く受験生と向かない受験生がいるのをご存じでしょうか?今回は、A君・Bさん・C君の3人を例に、シミュレーションしてみました。
   

高校推薦入試、3パターンで受験をシュミレーション

■A君
あまり勉強しなくても良い成績がとれるタイプ。国語が特に得意で、苦手な教科はない。内申点(通知表の9科の合計点)が33で、模試での偏差値は60

国 社 数 理 英 技 美 体 音  計
 5  3  4  4  4  3  3  4  3  =  33

Bさん
まじめにこつこつ勉強するタイプで、定期テストの成績や授業態度が特に良い。そのため内申点がやや高めで38。しかし実力テストになると力が発揮できないことが多く、特に数学と理科が苦手。模試での偏差値は53

国 社 数 理 英 技 美 体 音  計
 5  4  3  3  5  4  5  4  5  =  38

■C君
勉強は自分で進んでする方ではなく、人に言われてからやるタイプ。授業態度は普通だが、宿題を出さないことが多々ある。英語と国語が苦手で、数学はまずまず。内申点は29で、模試での偏差値は48

国 社 数 理 英 技 美 体 音  計
 3  3  4  3  3  3  3  4  3  =  29

それでは、具体的にこの3人が高校受験の推薦入試に向き・不向きかをシミュレーションしてみましょう。
 

高校推薦入試に向く受験生とは?

一般的に、私立高校の推薦入試は「合格させる入試」なのに対して、公立高校の推薦入試は「落とす入試」と言えます。

どちらの場合も、まず必要なのが志望校に見合うだけの十分な「内申点」です。その点では、まずBさんが推薦入試に向いていると言えるでしょう。

Bさんの場合は、模試のような実力テストに弱いという意味で、一般入試で受験するにはやや不安です。とは言っても十分に高い内申点があるので、公立・私立を問わず推薦入試に向いていると言えます。

このBさんのように、実力よりも内申点の方が高めのタイプは「内申タイプ」と言え、最も推薦入試に向いている生徒と言えます。

では、次に推薦入試に向いているのはA君とC君のどちらでしょうか。

一見すると、A君と思われがちですが、実はC君の方が推薦入試に向いていると言えます。理由は「苦手な教科が多いから」です。

C君の場合は、内申点がそれほど高くないため、公立高校の一般入試では不利になってしまいます。また、苦手な教科が多いので、一般入試での学科試験の点数もそれほど期待できません。ならば、いっそうのこと中堅の私立高校の推薦入試を受けた方が得策と言えます。

このように高校受験での推薦入試は、単純に内申点が高い生徒の方が向いているというわけではありません。あくまでも、実力よりも内申点が高い「内申タイプ」が向いていると言えるのです。
 

高校推薦入試に向かない受験生とは?

では、次に高校受験の推薦入試に向かない受験生について考えてみましょう。公立高校の場合も私立高校の場合も、志望校に見合うだけの十分な内申点がない場合は、推薦入試に向いているとは言えません

また推薦入試の場合は、合格したら入学を確約しなければならない「専願」が大半で、その後の受験に制限がついてしまいます。ですから、一般入試で十分合格する可能性が高い場合は、わざわざ推薦入試を受ける必要がありません

その点では、A君は推薦入試に向かないことがわかります。模試での偏差値が60もあるので、公立・私立問わず一般入試で十分合格することが可能だと言えます。志望校のランクを下げてまで「推薦入試」にこだわる必要はありません。

このA君のように、内申点はそれほどではないが、実力のあるタイプは「実力タイプ」と言えます。このようなタイプは、推薦入試には最も向いていないので注意しましょう。

参考までに、A君の場合は実力に見合うだけの内申点がないため、難易度の高い公立高校の一般入試では苦戦を強いられる可能性が高いので、志望校選びには注意が必要です。A君のような「実力タイプ」の志望校選びは、偏差値60の実力に見合った高校よりは、たとえワンランク下げてでも内申33に見合った高校を選ぶことがポイントです。
 

そもそも推薦入試は「諸刃の剣」

高校受験の推薦入試には一般入試のような厳しさがなく、比較的楽に合格を獲得できるという「おトク感」があります。しかし、高校受験に限らず、推薦入試は「諸刃の剣」の側面もあります。

一般入試の場合は、学科試験の結果によって合否が決まるという点では、確かに「厳しい制度」と言えるかもしれません。しかし、これは裏を返せば「受験生を実力に見合った学校へ振り分ける制度」とも言えます。

一方、推薦入試の場合は、少なからず実力に見合わない学校に入ってしまうというリスクがあります。「推薦入試で受験できるから」という理由で志望校のランクを極端に下げてしまった場合は、入学後に授業が簡単すぎておもしろくない「浮きこぼし」という事態にもなりかねません。A君のような「実力タイプ」が推薦入試で入学した場合は、特に注意が必要です。

また、「一般入試では危ないから」という理由で一般入試を避け、推薦入試で受験して合格した場合は、入学後に「授業のレベルが高すぎてついていけない」という事態も想定できます。いわゆる「背伸び受験」と呼ばれる現象です。Bさんのような「内申タイプ」は、特に注意が必要です。

いずれの場合も、良くも悪くも志望校が実力に「見合っていなかったこと」が問題ですね。こうした問題も、「受かるかどう」かだけでなく「受かってから」のことを考えれば防げることですので、志望校選びの際はこの点を参考に慎重に考えるとよいでしょう。
 

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