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FIRE(早期退職)で失敗する人の特徴

中原は、FIRE(早期退職)で失敗する人は、次の2つのいずれかのパターンに当てはまると考えています。「1:FIRE(早期退職)が早すぎて失敗する」「2:FIRE(早期退職)してみたが幸せになれず失敗する」。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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この記事では「FIRE(早期退職)で失敗する人の特徴」について、筆者の考えをまとめます。

中原は、FIRE(早期退職)で失敗する人は、以下の2つのいずれかのパターンに当てはまると考えています。
 
  1. FIRE(早期退職)が早すぎて失敗する
  2. FIRE(早期退職)してみたが幸せになれず失敗する

FIRE(早期退職)が早すぎて失敗する

1つ目のパターンが「FIRE(早期退職)が早すぎて失敗する」場合です。

一時期、SNSなどでは「FIRE卒業」というワードがバズっていました。早期退職してみたはいいものの、いざやってみるとお金が足りないことなどが、分かって復職することを「卒業」と表現するようです。

筆者の周りも含め、FIRE(早期退職)に強く憧れる人ほど、いささか決断が早すぎるように感じます。

退職が早すぎる失敗を犯す人は、老後資金が足りなくなるリスクが高まります。海外の研究では「退職を3年早めただけでも、退職後に資金不足に陥る確率が高まる」というものもあります。

FIREとは「Financial Independence, Retire Early、経済的自立した上で早期退職すること」を指します。しかし、前半の「Financial Independence(経済的自立)」を達成するよりも前に、仕事をやめてしまうのです。これではFIREとは言えず、単に「退職」しただけです。

FIRE(早期退職)してみたが幸せになれず失敗する

2つ目のパターンが「FIRE(早期退職)してみたが幸せになれず失敗する」場合です。

筆者は、「FIRE(早期退職)」は過大評価されているように感じます。「宝くじに当たったら何をしたい?」みたいな話はいつの時代も盛り上がるものですが、こういう「お金があって不自由なく暮らせる」ことに、人々は過度な憧れを持つものなのでしょう。

ビジネスで成功して「FIRE(早期退職)」した人は、たしかに経済的自由を手に入れるでしょう。しかし、INSEADの研究によれば「経済的自由」になっても、その自由を持て余してしまう人は多いようです。

また、FIRE(早期退職)した後には、同じ境遇の友人や家族がなかなかいないため、孤独感に悩まされる人は多いようです。中原もFIREに近い暮らしをしている一人ですが、「周りと話が合わなくて寂しい」と感じることは、けっこう多いです。

結局、FIRE(早期退職)してからも居心地の悪さを感じて、ふたたび仕事を始める人も多いと思います。筆者の周りでも「仕事をやめたところでやることがないし、仕事を続けたほうが幸せだ」と言う富裕層の方がけっこう多いです(のんびり暮らしてスローライフ……という人は、ほとんどいません)。

結局、FIRE(早期退職)は人生の目的にはならないようです。夢を持って、前向きに全力を尽くしている日々のほうが、目的もなくのんびり暮らす毎日と比べると、幸せになりやすいということなんだと思います。

参考記事
  1. Allspring, “Hiding Behind the Averages”, 2022
  2. INSEAD Knowledge, “Fulfilment and the FIRE Movement: The Realities of Life After Early Retirement”, 2023
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