亀山早苗の恋愛コラム

女性からの「スピード離婚」は少なくない?40代、50代の経験者が語る「もう無理!」と思った瞬間

「私もスピード離婚だった」という声は意外とよく聞く。1990年代に流行った「成田離婚」という言葉そのままに、新婚旅行直後に離婚した女性も……。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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女優・遠野なぎこさん(43歳)が結婚から2週間で3度目のスピード離婚。これに関して「私もスピード離婚だった」という声を多く聞く。
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1990年代、「成田離婚」という言葉が流行った。新婚旅行から帰ってきた夫婦がその足で離婚届をもらいにいって離婚するというくらいスピード離婚だということだ。その背景としてバブル期、女性は海外旅行を謳歌して慣れているが男性は海外に不慣れ。旅先で情けない男性の姿を見て女性の恋心が冷めたことが原因などとも言われていた。1997年には草彅剛さん主演で『成田離婚』(フジテレビ)というドラマも放映されている。

私も「成田離婚」だった

「ちょうどドラマができたころ、私も成田離婚したんです。友人からは『時代の最先端だね』と笑われていました」

苦笑しながらそう言うのは、リカさん(52歳)だ。当時、27歳だった彼女は2年付き合った同い年の彼と結婚。婚姻届を提出してから新婚旅行へと向かった。

「婚姻届を出したのは、万が一、飛行機で事故があったりしたとき、『夫婦』として扱われないのは寂しいと思ったから。きちんと手続きしてから旅行に行きたかったんです」

ヨーロッパ5カ国10日間のツアーは、新婚旅行客が大半だった。ツアーだから楽かと思いきや、「自分たちでスケジュールを組まないで済むのは楽ですが、逆に他のカップルと比べる機会が多くてつらかった」と言う。

「バスで移動するとき、いつも通路を隔てて隣に座るカップルがいたんですが、ダンナさんがかっこよかったんです。英語はペラペラ、常に妻をエスコートしている。食事のときも、まず妻の椅子を引いて座らせる。それを見てほかのカップルも同じようにしはじめたんですが、うちの夫だけはそれをしない。ああいうふうにやってよと言っても『できるか!』と拒否されました」

リカさんは簡単な会話なら英語でできたが、夫はからきしダメで、まったく頼りにならない。慣れない食事で体調を崩し、夜中にガイドさんに連絡してほしいと言っても夫はあたふたしているだけ。彼女は自らガイドさんの部屋に内線で電話をしたという。

「旅行後半には夫が不機嫌になっちゃって。素敵なカップルから、『大丈夫?』と心配される始末。まわりの人に心配させないでよと夫に言ったら、『ご飯に梅干しが食べたい』と泣きそうになってる(笑)。今ならちょっと気持ちもわかりますが、あの当時は私も見栄っ張りだったから情けないと一喝したんですよね」

成田に着いたとき、夫は「オレ、実家に戻るわ」とつぶやいた。新居は都内、夫の実家は埼玉県だったが、夫はわざわざ実家に帰っていった。

新居に着いたリカさんも疲労困憊。翌日はゆっくり休み、その翌日は職場へ行ったが、昼休みに離婚届をもらいに行ったという。

「2年付き合って国内旅行もしたことはあったけど、海外でないと見えない彼の性格もあったんだと思う。新居での同居日数は1週間くらいだったんじゃないかしら。手間と労力とお金だけ遣った結婚でしたね」

30代で再婚するつもりだったが、再婚直前に破局。「自分自身も結婚には向いていないのかも」と考えて以来、正式な婚姻はしていないという。

>スピード離婚後の意外な関係性
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