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2016年夏のボーナス平均額は73万4090円?

景気の先行きが不透明になってきましたが、前期の業績によって決まるボーナスは、好業績を受けて増加しそうです。夏のボーナスの使い道をあれこれ考えているこの時期。やっぱり他人のボーナスは気になるところです。業種別に見ていきましょう。

伊藤 加奈子

執筆者:伊藤 加奈子

貯蓄ガイド

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3年連続の増加。全業種平均で73万4090円

毎年春になると、夏のボーナスの見込み額について、さまざまなシンクタンクが調査、予測データを公表します。今回記事で紹介するのは、「一般財団法人 労務行政研究所」が行った調査データです(2016年5月11日発表)。調査対象は東証一部上場企業126社で、今年の賃上げと同時に妥結した夏季賞与一時金を集計したものです。2016年夏のボーナス(妥結額)は、平均で73万4090円(平均年齢38.5歳)で、3年連続で増加ということです。

ちなみに、ほかのシンクタンクでは、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが見通しとして、民間企業の平均支給額は35万8409円(前年比0.5%増)。国家公務員は63万4800円(2.4%増)と発表しています(2016年4月6日。民間企業は事業所規模5人以上、国家公務員は一般行政職が対象)。

まず、業種別に入る前に、これまでの夏のボーナスの推移をみてみましょう。

夏季一時金妥結額の推移(単純平均)と対前年同期比

夏季一時金妥結額の推移(単純平均)と対前年同期比


2009年はリーマン・ショックの影響で企業業績が悪化。そのため前年からマイナス14.4%と大きく下げました。その後、上げ下げを繰り返しながら、2014年にようやく70万円台を回復。その後、今年に至るまで3年連続の増加となりました。グラフの妥結額は単純平均のため、2015年から2016年はマイナスになっていますが、同一企業での平均だと、2015年は72万2040円、今年が73万4090円と1.7%の増加という結果になります。

ただし、対前年比の伸び率は、2014年が5.7%増、2015年が3.0%増、2016円が1.7%増ですから、伸び率自体は鈍化傾向にあります。支給月数は2.43カ月で、昨年の2.44カ月から下がっています。ボーナスは賃上げによる底上げと、企業業績に影響されます。今年の夏のボーナスまでは、春の労使交渉によって妥結したものの、年間協定で決まっている企業以外は、冬のボーナスは状況が変わるかもしれません。

製造業76万459円、非製造業は66万2740円

では、業種別ではどうでしょうか。

製造業では平均76万459円、対前年同期比で1.0%の増加。非製造業は平均66万2740円、対前年同期比では3.6%と大きく増加しました。
2016年夏季一時金の妥結額(東証一部上場企業126社)

2016年夏季一時金の妥結額(東証一部上場企業126社)


個別の業種では輸送用機器のうち、自動車5社平均が108万円超と突出しており、2015年実績でも年間で200万円超と他業種を引き離しています。対前年同期比での伸び率では、建設と電力が10%以上の増加。次いで、水産・食品、化学、ガラス・土石が6~7%台の増加となりました。鉄鋼、非鉄・金属は逆にマイナス6~7%とふるいませんでした。

変動するボーナスを過信しない家計管理が大事

総務省の『家計調査(2015年)』では、2年連続で消費支出がマイナスという結果もあり、今年の夏のボーナスが増額になったからと言って、簡単に消費が刺激されるわけではないでしょう。デフレに戻ったかのような昨今の景気状況や、社会保険料負担の増加などもあり、いったん引き締めた家計が緩むことも考えにくいでしょう。

それでも、ボーナス時は家計が変動しがちです。しっかりとボーナスの使い道については、計画しておきたいものです。また毎月の家計が苦しいと、ボーナスで赤字清算する家庭もあるでしょう。せっかくのボーナスという楽しみが借金返済で終わっては元も子もありません。今回で清算するとしても、毎月の家計で赤字を出さないように見直しをすることも忘れないでください。

一方、大きな買い物である住宅購入を検討している人の中には、ボーナス併用返済を選択する人も少なくありません。マイナス金利政策の影響で住宅ローンは過去最低レベル。ボーナス併用を利用すると、毎月の返済額は抑えられますが、長く続く返済の中で、ボーナスを過信した資金計画はリスクが高いのです。活用する場合は、無理のないボーナス割合で返済計画を立てることが必要です。

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