デジタルカメラ

激安なジャンク品でフィルムカメラを楽しむ方法

デジカメやスマホが普及することで、販売されるフィルムカメラの種類が非常に少なくなり、選択肢がかなり狭まってきました。しかし現在でも中古品は多く流通しており、それを使えば手軽に楽しむことができます。今回は、その中でも特に安価で手を伸ばしやすいジャンク品を利用し、フィルムカメラを楽しむ方法を紹介します。

伊藤 浩一

執筆者:伊藤 浩一

デジタルガジェットガイド

まだまだフィルムカメラは活躍できる

デジタルカメラやスマートフォンが普及することで、フィルムカメラはほとんど使われなくなってきています。それに伴い、新しいフィルムカメラの販売は、種類が非常に少ない状況となってしまいました。

フィルムカメラとフィルム

フィルムカメラとフィルム


しかし、カメラ量販店ではフィルムや「写るんです」のような簡易カメラの販売や、フィルムの現像が未だに行われているため、まだまだフィルムカメラも活躍できます。デジタル写真にと比べて、クリアさやカラーの再現性は叶わない部分はありますが、フィルムでしか撮れない良さを出すことができます。

現代であれば、レタッチソフトにてフィルム写真風に変更することは可能ですが、本物はやはりそのレタッチとは違う風合いなのです。何気ないスナップでも、フィルムで撮影すると面白い効果が期待できる場合があります。

中古のフィルムカメラは手が届きやすい

デジタルの時代に新しいフィルムカメラを利用するのは、入手方法などで難し
い面があります。それでも、中古のフィルムカメラを利用することで、手軽に
楽しむことができます。特に、カメラ専門店などで販売されているジャンクの
フィルムカメラは、安いものであれば1000円程度と安価なので、手が伸ばし
やすいです。

ただ、このようなジャンクカメラはトラブルのあるものも多く、リペアが必要に
なる場合もあり、リスクも大きくなります。とはいえ、昔のデザインの機械式の
フィルムカメラは、なかなか魅力的なアイテムです。

今回は、ジャンクのフィルムカメラを利用する方法をご紹介します。ジャンクということで、全てのカメラが今回ご紹介する方法が最適とは限りませんが、参考例としてご覧ください。

ジャンクカメラを手に入れる際の注意点

まず、フィルムカメラはいろいろな種類があります。フィルムカメラが全盛の時代によく販売されていた機種は、電池が内蔵式で、露出などを自動で設定できるカメラです。便利ではあるのですが、電子回路のトラブルがあると、修理が困難な場合が多くなります。

また、その前の時代には、自動露出のない機械式のマニュアル操作のフィルムカメラがあります。電子式のトラブルはありませんが、古いためシャッター速度やシャッター幕のトラブルなど発生しやすくなります。また、内部のモルトの劣化で、光源漏れが発生する可能性があります。

このようなトラブルが発生することを念頭に置き、ジャンクカメラを入手しましょう。最低条件として、フィルムの巻き上げができシャッターが切れること、ファインダーが綺麗なこと、外観が綺麗なこと、フィルム室が綺麗なこと、電池を入れて露出計が動くことを確認しましょう。

電池の確認

電池の確認


簡単にできるリペアとして、モルトの補強があります。モルト材は、通信販売などで販売されており、1mm厚で片面シールになっているものが使いやすくなります。裏蓋を開けて、モルトの劣化している部分を拭き取り、貼り直します。また一眼レフの場合、スクリーンが汚れている場合は、分解できる機種であれば掃除をすることで、ある程度クリアになる場合があります。

スクリーンの掃除

スクリーンの掃除


フィルムの入手方法と利用方法

デジタルカメラに比べると、写真一枚当たりのコストはかかってしまいますが、フィルムは量販店やネットショップにて入手が可能です。フィルムは ISO感度別に販売されていますので、昼間の撮影用は ISO100、オールマイティな ISO400、暗い場面が多い場合は ISO800を選択すると良いでしょう。ただし、ISO感度が上がると粒子が荒くなりますので、写真の品質を見ながら決めてください。

フィルム

フィルム


さて、いよいよカメラにフィルムを装填します。装填方法は、カメラ毎に違う場合がありますが、フィルムを引き出して、フィルムを装填した側と反対側に差し込んで、少し巻き上げて、歯車とフィルムが合っていることを確認して、裏蓋を閉めます。

フィルムを入れる

フィルムを入れる


一部のカメラ(バルナックライカなど)では、フィルムをカットして装填した方がよい場合があります。

フィルムカット例

フィルムカット例


フィルムを装填後、数枚、空シャッターを切ります。この際に、フィルムが巻き上がっているかどうか確認しましょう。フィルムが噛み合っておらず、フィルムが巻き上げられていない場合がありますので注意が必要です。自動露出機能のあるカメラの場合は、ISO感度を合わせます。

フィルムカメラで撮影する際の注意点

フィルムの準備が整ったら、撮影を始めましょう。自動露出のカメラの場合は、シャッター速度が明るい場所では速くなり、暗い場所は遅くなるはずです。

マニュアル撮影で使用するカメラは露出計が必要となりますが、簡易的に利用するのであれば、スマートフォンの露出計アプリが便利です。スマートフォンのカメラ機能を利用して、ISO 感度を設定することで、最適な絞りとシャッター速度を表示してくれます。これらの値を、マニュアルカメラにて設定して撮影しましょう。シャッター速度に関しては、低速(1/25以下)と高速(1/1000以上)で、適度な速度が出ないトラブルが発生する可能性がありますので、低速と高速は意識的にテスト撮影をお勧めします。

現像の際はデータ化するのがおすすめ

撮影後、フィルムを巻き上げて写真店に現像に出します。この際にお勧めなのが、現像と一緒に CD データ化をすることです。プリントするよりも CD データにしておいた方が、後々自分でもプリンターなどでプリントできるので、汎用性が高くなります。また、CD データ化を頼むと写真インデックスも付いてくるので、こちらも便利です。

ちなみに、ハーフサイズカメラを使用した際には、現像時にそのことを伝えると、スムーズに現像ができます。また、ハーフサイズの現像とデータ化は、通常の現像に比べて時間がかかる場合もあります。

CDデータと同時にサムネイルプリント

CDデータと同時にサムネイルプリント


フィルムの CD データ化のコストを節約したい方には、フィルムスキャンがお勧めです。フィルムスキャナーは、安いもので 1万円以下であります。性能はそれなりになりますが、WEB で見たり、サービス版サイズにプリントする分には十分な性能です。

ジャンクのフィルムカメラでの作例

以下は、ジャンクのフィルムカメラにて撮影した例となります。

バルナックライカIIf

バルナックライカIIf


バルナックライカIIf撮影例

バルナックライカIIf撮影例


オリンパスPEN EE-3

オリンパスPEN EE-3


オリンパスPEN EE-3撮影例

オリンパスPEN EE-3撮影例


ニコンEM

ニコンEM


ニコンEM撮影例

ニコンEM撮影例


キヤノンFLEX RM

キヤノンFLEX RM


キヤノンFLEX RM撮影例

キヤノンFLEX RM撮影例


キヤノンFX

キヤノンFX


キヤノンFX撮影例

キヤノンFX撮影例


ミノルタHI-MATIC F

ミノルタHI-MATIC F


ミノルタHI-MATIC F撮影例

ミノルタHI-MATIC F撮影例


Zorki 3

Zorki 3


Zorki 3撮影例

Zorki 3撮影例


ミノルタSR-1

ミノルタSR-1


ミノルタSR-1撮影例

ミノルタSR-1撮影例


デジタルでしか撮影したことのないユーザーにとっては、フィルムカメラでの撮影は、新鮮な体験となります。是非一度、フィルムカメラを体験されることをお勧めします。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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