LEXUS(レクサス)/LEXUSの車種情報・試乗レビュー

LSの熟成に、レクサスの再構築を見た

マイナーチェンジを受けたレクサスLSが、そろそろ日本発売となる。LSの本当の魅力とは何かということを考えていたが、マイナーチェンジとは思えない進化に、レクサスを真のプレミアムブランドとして育てようとする意気込みが伝わってきた。

小川 義文

小川 義文

車・写真撮影 ガイド

自動車写真の第一人者。広告写真では日本雑誌広告賞など多数の受賞歴がある。自らの写真論をまとめた「写真家の引き出し/幻冬舎」など著書も多数。公益社団法人日本広告写真家協会正会員、日本自動車ジャーナリスト協会会員。

変わったのはフロントグリルだけではない

LS460

スピンドルグリルに目を奪われがちだが、実は新型LSの魅力はそこにとどまらない


この夏、マイナーチェンジを受けた新型レクサスLSをアメリカ・サンフランシスコ近郊で撮影する機会を得た。ファインダー越しにレクサスLSの魅力を考察してみたい。

新たな時代にふさわしいレクサスとは何か?を模索し自ら導き出した答えがレクサスのフラッグシップモデル、LSのマイナーチェンジである。マイナーチェンジと言っても、内容があまりにも多岐にわたるため、型式変更を伴わないマイナーチェンジとしては限界ともいえる手の加わりようをみるに、もはやデビュー当時とは別物にまで進化していると考えて差し支えないだろう。
LS460

ルーフからリアに流れていく優雅なラインが秀逸


新型LSの造形は細かい気配りが感じられる。もちろんエクステリアデザインのハイライトはスピンドルグリルの採用で精悍になった顔立ちだが、私は計算し吟味した単純で美しいカーブと豊かな断面とのシンプルな構成によってできた造形そのものに好感を持った。

優雅なルーフラインを描きながら、そのままリアデッキの精緻な三次元カーブへと流れ込む造形は、重圧感を誇るこれまでの高級サルーンにないデザインが見事に表現されている。ドイツ車の抑揚のある面造形による官能的表現とは異なり、クールで知性的に感じる表現方法は威圧的でないプレステージ感であり、レクサスLSは高級サルーンの新しい日本的な「趣」という潮流を生み出した感がある。
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ドイツプレミアムカーのような威圧感はなく、どことなくクールで知的な雰囲気が漂うデザインはレクサスならでは



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