アートと実用を兼ね備えたもの
眺めて気持ちよく、使い勝手もいい器。取材時の展示は、「Le dilettante de France 岡田直人 plus 竹俣勇壱」展。 19世紀フランスの好事家の審美眼にかなった道具、というテーマで 作品が紹介されていました。 器は陶芸家・岡田直人さんの作品。 岡田さんには、その時代の陶器の写真を見てもらい、作品のイメージを膨らませてもらったそう。 そこに岡田さんならではの感性をプラスして、 しっとりと洗練された、この場所ならではの空間ができあがりました。 岡田さんの器は、和にも洋にも程よく馴染みながら、静かな存在感を持ち、 凛とした独特の切れ味があります。
「アートと実用を兼ね備えたもの、というのがギャラリーコンセプトのひとつなんですが、 岡田さんの器はまさにそうだと思います。 使ってみるとますます良さがわかって、手放せなくなるんです。 繊細なフォルムですが、意外と丈夫で壊れにくいんですよ」。 今回、この企画展から誕生したコンフィチュールカップは、図面をかいて岡田さんに渡し、形にしてもらいました。 企画展では毎回、何かココ発信のお楽しみを考えているそうです。

洋のしつらいですが、お正月にいいわ、というお客さんもいたとか。
一緒に展示されているのは、金工作家・竹俣勇壱さんの作品。 テーブルに並んだ金属のお皿やカトラリーなど、これらもやはりフランスやイギリスの アンティークを写して作られたもの。 カトラリーは持ち手のカーヴなど、ささやかなディティールにこだわりが見えます。 この繊細なフォルムは、今となっては手間が多すぎて、なかなか作れない形なのだそうです。

一瞬アンティークかと思ってしまう味わい深さ。
さらに、ポァンのお菓子も並んでいました。 ポァンは元々荻窪にあったカフェ「ひなぎく」でお菓子を作っていた人。 今は吉祥寺で昼間だけの喫茶を営んでいます。 素材の味を生かした、素朴でしっかりとしたおいしいお菓子です。 (毎回企画展に合わせたお菓子をお菓子作家さんに依頼しています)。

展示の仕方もかわいいです。
普段の仕事では、企業とのやりとりがほとんどだというオーナー。この場所では、 直接お客さまと会話することによってリアルな声を聞くことができ、 様々な新しい出会いがあるのも嬉しい、と語ります。 「ギャラリーをやるようになってから、思いがけない人とつながったり、 自分たちのもの作りのヒントになる言葉をいただいたり、 ずいぶんと広がりができました。 Style-Hug という名前の意味には、 様々なスタイルを持った人々が、抱きしめ合う=固い絆で結びつく、 そこから新しいものが生まれる、 という思いが込められているんです。 ここで出会った作家やクリエイターとはじっくりとお付き合いしていって、 今後また一緒に何か新しいものを 作り上げて行けたら、と思っています」。
2009年2月7日(土)~13日(金)は「安倍太一+和田麻美子 二人展『花のある場所』」を開催予定。 この空間が、次はどんな場所に生まれ変わるのか楽しみです。
Style-Hug Gallery
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-59-8 原宿第2コーポ208
tel 03-3401-7527
ギャラリー会期中のみオープン、会期外はアポイント制(詳しくはHP参照)
http://www.style-hug.com/
近所には、紙と活版印刷をメインにしたお店、 PAPIER LABO. もあります。一緒にどうぞ。
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