節税対策/その他の税金の節税対策

消費税の節税(原則課税)

消費税の節税は、その仕組みを理解して事前にしっかりと準備してから実行することが大事です。今回は、原則課税の節税について、課税の仕組みと合わせてご説明していきます。

今村 仁

今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策 ガイド

中小企業の節税専門家として執筆・メディア出演多数。税理士、宅地建物取引主任者、CFP。「3か月でできる決算対策完全ガイド」など多数執筆。

まずは原則課税の仕組みを知る

消費税の仕組みを知り、節税に役立てましょう

消費税の仕組みを知り、節税に役立てましょう

法人税は赤字になれば、法人住民税の均等割だけを納付すれば済みますが、消費税の場合、そうはいきません。赤字になっても消費税は負担しないといけない場合があります。なんとか上手に節税する方法がないか、というのは経営者なら誰しも考えることでしょう。そこで、消費税の節税について今回と次回の2回に分けてご紹介することにします。今回は原則課税についてです。

まずは、原則課税の仕組みを知ることが必要です。原則課税は、売上に伴って預った5%の消費税から仕入や経費に伴って、支払った5%の消費税を差し引いた残額を納税するという仕組み。原則課税では、消費税は会社を通過するだけですので、損得はありません。

売上は、課税売上、非課税売上、免税売上、不課税売上の4種類に分けられます。

課税売上となる取引には主に以下の4つの要件があります。
1.国内において
2.事業者が
3.事業として
4.対価を得て行う資産の譲渡、貸付け及び役務の提供

この要件に当てはまらないものは不課税取引となり、消費税は課税されません。また、消費税法によって非課税取引が限定列挙されていますので、この取引に該当するものは非課税取引となり、消費税は課税されません。例えば、土地の譲渡、住宅の貸付、診療報酬などです。また、輸出取引は免税取引になり、消費税は免除されます。

原則課税の場合、重要になってくるのが「課税売上割合」という考え方。課税売上割合というのは総売上高に占める課税売上高の割合のことで、この割合が95%を切ると消費税の計算方法が変わり、納税額が多くなります(詳しくは後で説明します)。

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