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熊谷正寿氏の手帳術に迫る!(4ページ目)

ベストセラー「一冊の手帳で夢は必ずかなう」の著者GMOグループ代表熊谷正寿氏に直撃インタビュー! その手帳活用術の真髄に迫った!

執筆者:角田 正隆

4.「未来年表」~90歳までの55年計画~

未来年表
■「未来年表」 達成したい目標と現状との「差」を書き、それを埋めるスケジュールを年次でまとめる。熊谷氏は21歳で15年計画を作成、現在は90歳までの55年計画を進行中
―――具体的な行動計画が「未来年表」ですね。
熊谷:「未来年表」では、まず夢や目標を列挙しそれをゴール地点に配置します。そして夢と現状の距離を見定め、その距離をどんなスケジュールで埋めてゆくか考えます。

私は20歳のとき35歳までの15年分の「未来年表」を作りました。長いと思うかもしれませんが、やってみると結構面白い作業でドンドン枠が埋まってゆきます。

―――15年が適当な長さでしょうか。
熊谷:実は最初に15年で作成したのは、書き込む用紙のマス目が15個だったからです(笑)。期間は夢の難易度やサイズに依存すると思いますが、なるべく早く夢を実現した方が豊かな人生を過ごせるでしょう。そのうち新しい夢が生まれる可能性もあります。

僕は15年計画があと1年で終わるとき、盆休みを使い90歳までの「55年計画」を完成させました。長すぎると思うかもしれませんが、2度も3度も作るのは大変ですからね。僕は面倒くさがりやなんです(笑)。

55年という長さにしたのは、今度は合理的な理論に従って計画を立てようと思ったからです。経済循環の「コンドラチェフのサイクル」が1周期11年だったので、計画の期間をその5サイクル分の55年にしました。やはり仕事が生活の中心になりますからね。

グローバルメディアオンライン 代表取締役会長兼社長 熊谷正寿氏
熊谷正寿氏「1年や2年ぐらいの計画のズレなど誤差のうち、とにかく夢をあきらめるな」
―――計画が予定どおり進まないこともあるのでは?
熊谷:それは日常茶飯事ですよ。僕は「35歳で会社を上場させる」目標を立て40日遅れで目標を達成できたから、すべてが上手く行っていると思うかもしれません。そんなことはなくて、計画どおり進まない目標もたくさんあるんです。

80年、90年という長い人生で1年、2年のズレなど、ちょっとした誤差です。比率でいえばたった1%、2%じゃないですか。むしろ夢を諦めないことが大切です。夢は諦めた瞬間、初めて負けが確定します。夢を追い続けている限り負けることはありません。人間が豊かな気持ちでいられるのは、夢を達成した瞬間ではなく、夢を達成してゆく過程にあるのです。

―――そのためには目標をギリギリまで高く設定すべきですか?
熊谷:僕は6つのセクションごとに「究極の目標」を定めていますが、それと目標を高く設定することとは少しニュアンスが異なります。「究極の目標」とは「人生観」そのものであって、高ければよいというわけではありません。どんな「人生観」を持つかが大切で、僕の場合は結局「幸せになること」と「成功すること」にたどり着きました。人によっては、つつましくも幸せな家庭を築くことかもしれません。

DWMYリスト
■「DWMYリスト」 未来年表で定めた目標の進捗状況を「月・週・日レベル」でチェックするためのツール <クマガイコムより>日々の手帳活用についての図解[日本能率協会]
―――目標倒れにならぬように気をつけていることは?
熊谷:僕は目標倒れになりがちな人なんです。とても忘れっぽくて、意志が弱く、集中力がない。だから手帳を人生を予定通り生きる道具として使い始めました。「未来年表」まで作った僕は、年間の目標を「DWMYリスト」という日(Day)・週(Week)・月(Month)・年(Year)単位の詳細な計画表に落とし込みました。それを使って日々の活動に反映させたのです。たまに手帳を見直し初心に帰ることも大切ですね。

―――読み返せるから手帳がいいのでしょうか?
熊谷:貼り紙や声を録音してそれを毎日聞いてもいいと思います。手法はなんでもいいんですよ。ただ僕はバイブルサイズの手帳を絶えず携帯するのが一番だと信じています。バイブルサイズの手帳は、人類最多部数の出版物である「聖書」と同じ大きさです。聖書は長い歴史を経て何億人に愛用されるうちに、携帯し手元に置きやすい現在のサイズになったのでしょう。あなたの夢や目標が刻み込まれた手帳はあなたのバイブルです。その聖書を常に手元に携え毎日見直してください。

>>>最後に熊谷氏から読者へのメッセージ!>>>
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