年金・老後のお金クリニック

現在64歳の女性。障害基礎年金を受給しています。特別支給の老齢厚生年金を今からでももらうことはできますか?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、障害年金を受給している女性からの質問です。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

拝野 洋子

執筆者:拝野 洋子

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 / 年金・社会保障ガイド

  • Comment Page Icon
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、障害年金を受給している女性からの質問です。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q:64歳で障害基礎年金を受給しています。特別支給の老齢厚生年金を今からでももらうことはできるのでしょうか?

「昭和34年3月生まれの女性。64歳で障害基礎年金を受給しています。24年会社勤めをし、厚生年金保険料を払っておりますが、特別支給の老齢厚生年金を今からでももらうことはできるのでしょうか」(ばーばさん)
特別支給の老齢厚生年金を過去に遡って受け取ることはできる?

特別支給の老齢厚生年金を過去にさかのぼって受け取ることはできる?

A:65歳までの間は、障害基礎年金か特別支給の老齢厚生年金かどちらか選択になります。年金事務所でそれぞれの年金額を確認してみましょう

そもそも特別支給の老齢厚生年金とは、厚生年金期間が1年以上ある人が生年月日、性別に応じた年齢(60歳~64歳)から65歳まで受給できる年金のことです。相談者「ばーば」さんは昭和34年3月生まれで特別支給の老齢厚生年金を61歳から受給できる世代にあたります。

障害年金(障害基礎年金、障害厚生年金)を受給している人の場合、60代前半では障害年金か特別支給の老齢厚生年金かどちらかを選択して受給します。障害年金と特別支給の老齢厚生年金の両方を受け取ることはできません。

61歳にさかのぼって特別支給の老齢厚生年金を選択することもできますが、その場合は61歳から今まで受給していた障害基礎年金を返金することになります。

障害基礎年金と特別支給の老齢厚生年金、どちらを選択すれば有利かを考える場合、60歳以上で老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)を受給しながら勤務し続けていると、年金額の一部または全部が支給停止される在職老齢年金制度を考慮しましょう。在職老齢年金制度では、給与やボーナスなど年収の12分の1と老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)月額を合計して月額48万円以上になると、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金)の一部または全部が支給停止されます。

「ばーば」さんが60歳以降も厚生年金に加入しながら勤務し続けているなら、特別支給の老齢厚生年金を選択すると、在職老齢年金制度によって、特別支給の老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になる可能性はあります。

一方で障害基礎年金は、厚生年金に加入しながら勤務し続けていても在職老齢年金制度によって支給停止になることはありません。

障害基礎年金と特別支給の老齢厚生年金、どちらを選択するかは、年金事務所でそれぞれの年金額を詳しく確認してから判断しましょう。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。
 
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/5/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます