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規制によるカタログ落ち直前!KLX250試乗インプレ

新しく導入される排気ガス規制によってカタログ落ちが予定されているKLX250。ニンジャ250、DトラッカーXと共にカワサキの250ccカテゴリを盛り上げ続けた同車を一週間都内の通勤で試乗したインプレッションをお届けします。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

DトラッカーXの兄弟車両KLX250

KLX250フロントビュー

KLX250フロントビュー


以前に、DトラッカーXの試乗レポートを掲載しました。サスペンションセッティングが自由自在で自分好みのセッティングが可能な同車は、街中でもちょっとしたスポーツでも快適に走行できる一台という印象でした。

KLX250はDトラッカーXの兄弟車両。フロントに21インチ、リアに18インチのブロックタイヤを装備したオフロードバイクバージョンで、カワサキが250ccクラスのシェアを広げるためにリリースした三台のうちの一台です。2008年のデビュー以来、カラーリングチェンジなどマイナーチェンジを続けながら今日も新車ラインナップに並ぶ人気の一台となっています。

KLX250は残念ながら排気ガスの新規制によってカタログ落ちが確定

排気ガス規制が変わり、新型車は2016年10月1日以降、継続生産者及び輸入車は2017年9月1日以降に厳しくなることが決定。今回ご紹介するKLX250は規制強化に伴いカタログ落ちすることが決まっています。

KLX250ファイナルエディション

KLX250ファイナルエディション


これに合わせてカワサキはKLX250ファイナルエディションとしてグラフィックを一新したモデルを投入してきました。

主観ではありますが、現行のライムグリーンやブライトホワイトがオフロードバイクでありながら街中でも違和感のない配色に仕上げているのに対して、スペシャルエディションはオフロードテイストを強めた配色に仕上がっています。

今回は街中にも溶け込むブライトホワイトのKLX250を一週間お借りして、通勤試乗インプレッションをお届けします。

まずはKLX250の装備をチェック

KLX250のサスペンションは調整機構付

KLX250のサスペンションは調整機構付


DトラッカーXの装備チェックの際にも紹介しましたが、KLX250・DトラッカーXには調整機構付の前後サスペンションが装着されています。このサスペンションのセッティングを変更するだけで乗り心地が大きく変わるので、試して頂きたい機能の一つです。

今回は初日にKLX250のサスペンションセッティングを変更し、沈み側の設定を最も柔らかいセッティングにしました。理由は乗り心地ではなく足つき性の改善のためです。

軽量なオフロードバイクとはいえ足つき性は厳しい

KLX250サイドビュー

KLX250サイドビュー


オフロードバイクは非常に軽量であるため多少足つき性が悪くてもあまり不安はないのですが、身長165cm体重63kmの筆者がシートに座ると、すっとサスペンションが沈むものの少し左側にお尻をずらさないと足がつきませんでした。

ストップ&ゴーの多い街中で停車する度にお尻をずらすのは大変なので、足つき性を改善したいところです。そこで前後サスペンションのセッティングを最弱に設定することで足つき性の向上を図りました。

しかし、それでも足つき性はかなり厳しく、シートにまたがった状態ではサイドスタンドをはらうことも出来ませんでした。

KLX250のシート高は890mm。DトラッカーXとは30mmしか違わないのですがこの差は大きく、停車する際には道路の端の縁石に足を乗せる有様でした。

KLX250の街中試乗での燃費は?

街中での燃費は34.81km/Lでした。DトラッカーX試乗時の燃費は32.45km/Lでしたがこの程度は誤差だと思いますので、ほぼ一緒と思ってよいでしょう。

またDトラッカーXとの装備の違いという点では、KLX250の二次減速比は高めに設定されており加速重視になっています。

DトラッカーXよりも軽快さに磨きがかかっている!

KLX250リアビュー

KLX250リアビュー


DトラッカーXとKLX250は初期のサスペンションセッティングは異なっていますが、いずれにしろ若干固めのセッティングになっています。足つき性の問題で最も柔らかいセッティングにしましたが、長いストロークと柔らかいセッティングのためにほとんどの衝撃をしっかりと吸収し、非常に快適な走行を楽しむことができました。

二次減速比が変更されているために軽快さはDトラッカーXに比べてKLX250に軍配が上がります。タイヤなどの違いによって実際に重量はKLX250の方が軽いのですが、重量の差というよりはセッティングの違いによる軽さといえるでしょう。

高速走行時も80km/hからアクセルを継ぎ足してもしっかりと加速するため、レーンチェンジも楽に行える印象を受けました。ただ最高速重視のセッティングになっているDトラッカーの方が、100km/h前後での走行は楽な印象です。

ゴツゴツとしたオフロードタイヤ

ゴツゴツとしたオフロードタイヤ


コーナリング時も非常に軽快でした。オンロードタイヤと比べれば絶対的なグリップ性能は低いはずですが、不足を感じることはありません。加速・旋回・制動全てにおいて動きが軽く感じましたので、街中の走行には最適な一台。ただ……、やはり辛いのは足つき性。

実際は走り出してしまえばなんとかなりますし、軽いのであまり転倒したりする事もないと思いますが、停車には気を使いました。気を抜いたら足がつってしまいそうでしたので走行前のストレッチは常に念入りに行っていました。

DトラッカーXのような万人向けではないと感じた

走り出してしまえば軽快さはKLX250に軍配が上がるし、長いストロークと柔らかいサスペンションセッティングの組み合わせは乗り心地が良く最高なのですが、身長165cmの筆者の場合は一週間試乗していても停車は気を使う状態でした。

KLX250のテールカウルに装着された小物入れ

KLX250のテールカウルに装着された小物入れ


個人的には書類などは鍵が掛かるところに入れておきたいのですが、DトラッカーXやKLX250は車体に収納がなくリアのテールに付いている小物入れに収めることになりますが簡単に中の物が取り出せてしまいます。

それじゃあリアキャリアとリアボックスを装着しようと思っても足が当たってしまって跨ぎにくくなってしまうのです。スタンドを立てた状態で跨いでもスタンドを払うことができませんし。

筆者よりも身長や体重が低い方や女性が町乗りで使用する場合はかなり気を使うことになると思います。オフロード走行をする予定がないのであれば素直にDトラッカーXをお勧めします。

乗り心地は本当に文句なしなので、足つき性がクリア出来てしまうのであればKLX250の方がお勧めできるのですが、万人受けするバイクではなく一部の人に向けたバイクという印象を受ける一台でした。

KLX250関連リンク


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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