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夜にランニングする時のウェア&反射材グッズと注意点

夜は暗闇の中を走るため、ランニング時には昼とは異なる注意が必要です。事故などに合わないために、ウェア選びや反射材、ライトなどのアイテム準備を行いましょう。また、走る場所やスピードなどに注意することも大切です。

三河 賢文

執筆者:三河 賢文

ジョギング・マラソンガイド

増えている"夜のランニング"

夜にランニングする時のウェア&反射材グッズと注意点

暗くなると視界が悪くなります


暑い時期になると、夜の涼しい時間帯にランニングする方が増えます。もちろんそれ以外でも、仕事などの関係で「夜しか走れない」というランナーも多いでしょう。最近では、帰宅ランに取り組むランナーも増えています。しかし夜のランニングには、危険があります。その理由が「暗闇」です。特に帰宅ランニングをはじめ、街中など人や車、自転車の多い場所を走る際には、注意が必要といえます。

昼間と比べて、暗闇の中では人の存在を目で確認することが困難です。車や自転車に乗っている方であれば、恐らく想像できるでしょう。

「そんなの、当たり前」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その当たり前を軽視していると、思わぬ事故に繋がってしまうこともあります。そこで今回は、夜のランニングを安全に楽しむための方法を、いくつかご紹介しましょう。
 
<目次>
 

夜にランニングすることで高まる事故リスク

夜は昼間と比べて、事故のリスクが一気に高まります。それは、やはり暗闇による「視界の悪さ」が原因といえるでしょう。これによって起きやすいのが、次のような事故です。
 
  • 自転車との接触
  • 車との接触
  • 障害物との衝突
  • 溝などへの落下

自転車や車との接触については、気をつけている方も多いことと思います。しかし、自分が周囲に気を付けているだけでは不十分。詳しくは後ほど述べますが、周囲に対しても注意を促すことが大切です。ここで、改めて考えて欲しいことがあります。それは自転車や車など「相手がいる」事故が起きた場合、自分が傷つくだけでなく、相手を加害者にしてしまうということです。万が一にも大事故が起きれば、相手の人生を狂わせてしまうことすらあります。

これに対して、道端の障害物や溝などは、気が回っていないという方が多いのではないでしょうか。そのため、曲がり角でいきなり現れた電柱やガードレールに衝突したり、道路上の段差に躓いて転んだりといったことが少なくありません。もちろん、自転車や車との接触に比べて、大怪我に繋がる可能性は低いでしょう。しかし、例えば躓いて転んだ先が車道だったら?突然現れたあなたを、高速で走る車は果たして避けきれるでしょうか。

事故は、いつ、どのようなことが原因で起きるか分かりません。そして夜という環境は、その可能性を大きく高めます。このことを十分に理解したうえで、具体的な対策について考えていきましょう。
 

ランニングウェアは明るい色を選ぶ

ランニングショップに行くと、実にさまざまな色やデザインのランニングウェアが販売されています。もちろんどのような商品であれ、基本的には個人の好みで選べば良いでしょう。しかし、夜のランニングで使用するアイテムは、少し配慮が必要になります。結論から言えば、明るい色を選ぶようにすると良いでしょう。
 
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ウェアは明るい色がベスト


黒や紺、茶などをはじめ、色味の濃いものは暗闇に溶け込んでしまい、目に見えづらくなります。そうなれば、周囲があなたの存在に気づかず、接触事故などに繋がる危険性が高まるでしょう。そのため、夜のランニングでは白や黄色など明るい色を選ぶことをお勧めします。蛍光色であれば、より良いでしょう。事故防止においては自分自身が周囲に気を配ることも必要ですが、周囲に存在を知らせて注意を促すことも非常に大切になります。
 

光を利用する反射材とライト

周囲に対して「ここにいるよ」と自分の存在を知らせるために、ウェア選びだけで十分とはいえません。明るい色のウェアならば近づけば見えやすいですが、本当に危険を回避するためには、より早い段階(=遠く)から相手に認識してもらうのが得策です。そのために用意しておきたいのが、反射材とライト。これらは、光によって遠くからでも相手に自分の存在を知らせることのできるアイテムです。
 
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反射材にもいろんな種類があります


反射材には、さまざまな選択肢があります。リストバンドやタスキ、あるいはシールなど、利用シーンや使い勝手により選ぶと良いでしょう。リストバンドは腕に巻くだけでなく、脚やバックパックなどに巻きつけて使用することも可能です。

また、バックパックやシューズなどには、アイテム自体に反射材が付いているものも少なくありません。パッと見ると分かりづらいかもしれませんが、購入時に確認すると良いでしょう。特にバックパックは反射部分が大きい、あるいは多いので、利用時は別で反射材を用意する必要がないかもしれません。
 
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ライトは用途に応じて使い分ける


ライトについては、小型クリップ式のLEDライトがおすすめです。バックパックやウェストポーチ、あるいはTシャツの後ろ襟などに着用することができます。軽量なので、走行時にも邪魔に感じることは少ないでしょう。反射材は、車や自転車などから上手く照らされないと、光を発することはありません。しかしライトならば、相手の動きなどに関係なく光を放ってくれます。

尚、暗闇では手持ちライトも良いでしょう。これは、足元などを照らすことが主な目的になります。段差や溝、障害物などは、想像している以上に数多くあります。手持ちライトを忘れてしまった場合は、携帯電話やスマートフォンに搭載されたカメラのフラッシュでも、ある程度代用が可能です。同時に向かってくる車や自転車などにも光で存在を知らせられるので、一石二鳥といえます。

ライトは、充電式と乾電池式とがあります。商品によって電池寿命は異なりますが、いざというときにちゃんと点灯するよう、使用前にチェックしておくと安心です。
 

走り方に気をつけよう

ここまでウェアやアイテムによる回避策をご紹介しましたが、走る際の配慮でも危険を避けることができます。ポイントは、場所とスピードです。まず、基本的には歩道を走りましょう。ときどき、前の歩行者を抜くなどの際に車道を走る方がいらっしゃいますが、これは非常に危険です。

ちゃんと声を掛ければ、たいていの歩行者は道を譲ってくれるでしょう。お互いに譲り合い、安全な歩道でのランニングを心がけてください。できるだけ歩道の広いコースを選ぶと、より安全に夜でもランニングが行えます。また、スピードも普段より抑えると安心です。もちろんトレーニングですから、しっかり追い込みたいという気持ちも分かります。しかし曲がり角で歩行者とぶつかるなど、スピードを上げると危険も高まります。

歩行者から見ても、突然ものすごいスピードで後ろから追い抜かれれば、驚いてしまいます。あなたの存在に気づかず、追い抜く直前で目の前に出てきてしまえば、ぶつかって怪我をさせてしまう可能性もあるでしょう。追い抜くときには、さらにスピードを緩めるようにしてください。

スピードを上げたいのであれば、見通しがよい場所で。街灯が多くて遠くまでよく見えるような場所ならば、ほとんど危険はありません。あるいは陸上競技場などでも、夜間まで開放している場所はあります。わざわざ危険な場所で走るのではなく、夜でも安全な場所を選んでトレーニングするのも、1つの方法です。
 

視覚と聴覚を開放する

先にも述べた通り、夜は暗闇によって昼間より周囲が見えづらくなります。これは、どんな人でも同様です。そのため、次のことは夜間では避けるようにしましょう。
  • サングラスをかける
  • 音楽を聴きながら走る
ランナーの中には、サングラスを陽の光を防ぐだけでなく、集中するために着用するという方もいます。しかし夜にサングラスをかければ、さらに視界が暗くなるのは必然です。
 
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夜はできるだけ視覚・聴覚を妨げないように


中には透明やイエローなどのサングラスもありますが、出来れば避けた方が良いでしょう。普段からメガネを使っている方ならば仕方ありませんが、目の前に「何かがある」ということは、色に限らず「見る」という行為の阻害要因になりかねません。まして、防ぐべき陽の光がない夜間であれば、むしろ着用しないことの方がメリットも大きいといえるでしょう。

音楽については、賛否両論あると思います。昼間でも周囲の音が聞こえにくくなりますから、出来ることなら聴かない方が良いでしょう。とはいえ、中には「音楽がないとつまらなくなってしまう」など、走るうえで必須アイテムのようになっている方もいらっしゃいます。ですから、ここで昼間の音楽について特に触れることはしません。

しかし夜間については、出来る限り避けるべきといえるでしょう。なぜなら、暗闇で視界によって得られる情報が減少する中で、聴覚によって得られる情報はとても貴重だからです。例えば、無灯火運転(本来、あってはならないのですが)で走ってくる自転車がいた場合、目ではかなり近づかないとその存在に気づきません。

聴覚であれば、ペダルを漕ぐ音やタイヤが地面に擦れる音が聞こえます。たとえ相手がどこから来るか分からなくても、「分かっている」ということが危険回避には大いに役立ちます。
 

まとめ

いかがでしょうか?もちろん他にも様々な方法がありますが、今回ご紹介したものは、誰でもすぐに実践できるはずです。私は、夜間も走るようなウルトラマラソンにも出場しています。そうしたレースに出場するランナーは、まさにナイトランのスペシャリスト。先に挙げたライトや反射材は当然として身に付けています。さらにはヘッドライトで地面を照らし、両手をいつも自由に使える状態にしているなど、ここではご紹介できなかったような方法も多く見られます。

たとえ走り慣れた同じコースでも、昼と夜とでは危険度が異なります。もちろん昼夜問わずですが、周囲の安全に配慮してこそ、誰もがランニングを楽しむことができるのではないでしょうか。

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