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Wii UはWiiの失敗を繰り返すか その2(3ページ目)

前回のゲーム業界ニュースでは、据え置きハードの普及台数でトップであるWiiが、市場において後半勢いを無くしてしまった点について、発売タイトル数が伸びなかったことをお話しました。今回は、なんでタイトル数が伸びなかったのか、その問題について考えてみます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

Wii U GamePadは1人用タイトルを増やすか

Wii U GamePadの図

テレビが他のことに使われている時でも、手元の画面だけで遊ぶことができます(イラスト 橋本モチチ)

Wiiで1人でじっくり遊ぶゲームが中々売れないという理由の1つに、ゲームハードが置かれている場所があります。PS3やXbox360は、一人暮らしの家や、家族の中でもゲームユーザの自室などに置かれるケースが多いハードでした。一方、Wiiはみんなで遊ぶ為に買われるため、圧倒的にリビングに置かれるケースの多いハードです。そうすると、何十時間もかかるゲームをクリアするために、テレビを専有するというのが難しい場合があります。

そこで、Wii UではWii U GamePadにゲーム画面を表示することで、テレビを使わなくてもゲームが遊べる仕組みが搭載されています。「NewスーパーマリオブラザーズU」や「モンスターハンター3G HD Ver」、「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」など、既にいくつかのゲームでWii U GamePadのみで遊ぶことが可能になっています。

テレビが使える時は大画面で遊び、誰かが見たいテレビがあると言えばWii U GamePadだけで遊べるのは中々便利です。単純に、ソファに寝っ転がって遊びたい、というようなニーズもありそうです。任天堂ユーザーに多いファミコン世代は30代で、小さい子どもがいる家庭も多い年代です。子どもと一緒に遊ぶゲームはテレビを使って、お父さんが1人で遊びたいゲームはWii U GamePadで、なんてスタイルもあるかもしれません。

ただし、だから1人用のゲームがたくさん発売されるかというと、それはちょっと違います。任天堂はサードパーティーに、Wii Uは1人用のゲームも売れるんだ、ユーザーのニーズがあるんだと証明してみせなければいけません。Wiiのイメージを覆さなければ、中々積極的にはなって貰えないでしょう。

任天堂は、ゼノブレイドを開発したモノリスソフトの完全新作や、プラチナゲームズの「ベヨネッタ2」など、1人でじっくり遊べるゲームをWii Uに積極的に投入する姿勢を見せています。これらは、例えばマリオカートシリーズであるとか、大乱闘スマッシュブラザーズシリーズのような、任天堂の看板タイトル程の市場規模は持っていないかもしれません。

しかし、それらとは別の部分で大きな役割を担っています。これらのゲームがいつ投入されて、どのくらいの規模で売れていくのかは、Wii Uがサードパーティーを巻き込んで良い循環に入れるかどうかを大きく左右するかもしれません。

【関連記事】
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【関連サイト】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)


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