布団・寝具/布団・寝具の選び方

正しい枕の選び方

寝具の中でも圧倒的に注目度の高い「枕」。市場にはたくさんの枕が出回っていますが、正しい選び方を知っていますか?

友野 なお

執筆者:友野 なお

布団・寝具ガイド

「枕が変わると眠れない」といわれるほど、枕は質の良い睡眠をとるうえで重要なアイテムです。旅先で旅館やホテルに宿泊し、「慣れない枕を使用して眠ったら起床後に首や肩が痛くなってしまった」なんていう経験、ありませんか? 枕が体に合っていないと、頭痛や肩こり、イビキ、むくみ、さらには不眠の原因にもなるので、しっかり吟味して選ぶことが大切なのです。ぜひ正しい選び方をマスターしてくださいね。


正しい枕を選ぶための2つのキーポイント

世界でたった1つのオンリーワンがつくれる「西川リビング オーダーメイド枕」

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枕を選ぶ際に重要視したいポイントは2つ。1つ目は「自分に合った高さであること」。そして2つ目は「寝返りがしやすいこと」。この2つのポイントをクリアするために、たくさんの枕の中からどのようなことを目安にして選べば良いのかをお伝えします!

まずは、頭から首の7つの骨「頚椎」が自然な状態に保てる高さと形状であることがなによりも大事なのです。横から見たときに頚椎がなめらかなS字カーブを描けている状態が理想といえます。

さらに、枕を当てて仰向けに寝たときに、顎が少し下がり気味になるのがちょうど良い枕の高さといわれています。下がり気味といっても額と顎を1本のラインで結んだときに横から見て2~5度程度なので、ほんの少しです。この状態だと頚椎がサポートされて立っているときと近しい姿勢になっており、圧力が平均化されている状態になっていますよ。

頚椎部分の隙間がしっかりと埋められ、仰向けで寝ているときに楽で枕をしている感覚がなければピッタリ合っています。

購入前に試すことが出来ない場合、目安の高さは、首筋の高さが5cm~9cm、頭の高さが2cm~6cm程度を基準にすると良いでしょう。一般的に性別や体格差を考えた場合、男性は高め、女性は低めのものがお勧めしていますが、これは男性のほうが背筋があり背中に厚みがあり、逆に女性のほうが比較的首の深さが浅くなるためです。


枕の高さが体に及ぼす影響とは?

パラマウントベッド 「スマートフィットピロー」

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枕の高さが高過ぎると一晩中首を不自然に曲げ続けることになると同時に、後頭部が上がりあごが引けます。すると後頭部から首、肩にかけての血行が悪くなり、首に不必要な力がかかり続けてしまうので肩こりの原因になってしまうのです。

また、気道が狭くなりイビキが大きくなったり、呼吸がしずらくなったりもしてしまいます。

逆に低過ぎる枕はどうでしょうか。頚椎が伸びてアゴが上がってしまい首への負担が大きくなるので、やはり肩こりの原因になってしまいます。また、血液が頭に多く流れてしまい、脳を刺激して寝つきを悪くもしてしまうのです。

最近では首にシワが出来ることを懸念して枕を使用しない人が増えていると聞きますが、その場合頭部が心臓よりも低くなるので血液循環がスムーズでなくなってしまい、起床後の顔のむくみにつながってしまいます。4~5kgもある頭を1日中支え続けている首を休ませてあげることが枕の最大の役割なので、ちゃんと自分の高さに合った枕を使用することがマストです。

また、首をしっかり支えるという点から考えると、硬すぎず、柔らか過ぎないということも枕選びにおいて非常に大事なポイント。頭が枕に沈む率は大体20%くらいが適当とされています。枕が硬すぎると接触面積が少なく後頭部のみで支えるので首筋が安定せず、長時間になると眠りの中枢が刺激されて目を覚ましやすくなってしまうのです。

反対に柔らか過ぎて頭が40%以上沈むようだと、頭や首が支えられず寝姿勢が不安定になります。しかも、頭部の接触面積が増えるので寝苦しいですし、頚椎に負担がかかり、脳への血流が低下してしまったり、舌が喉の奥に落ち込んで気道をせまくしてしまったりして、睡眠の質がとても悪くなってしまうのです。


意外と見落としがちな快眠を促す枕のポイント

世界で愛される「テクノジェル スリーピング アナトミックピロー」

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眠っている間は誰でも血液の循環を促したり、筋肉の疲労を緩和させるために20~30回の寝返りをうちます。それに対応するためにも、頭3個分の長さがあるということも枕を選ぶ際の大事なポイントです。

幅は60cm以上、奥行は40cm以上あれば十分です。あまりに小さすぎる枕だと、寝返りをうった際に頭が枕から落ちてしまい、そのタイミングで目が覚めてしまったり、首が不自然な状態のまま朝を迎えて首を痛めてしまったりなどということが考えられます。

大きさと併せて注意したいのが「重さ」。あまりに軽過ぎる枕を使用してしまうと、寝返りをうった際などに飛んでいってしまうことがあるのです。ある程度の大きさと重さ、どちらも必要だということも忘れないでくださいね。

最近では、枕の専門家であるピローフィッターがいる店が増えてきました。首のカーブ度合いや背中の筋肉のつき具合、体型など1人1人まったく違うので、自分でよく分からないときには、一度、相談してみるのも良いでしょう。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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