ホノルル/ホノルルの観光

ハワイ王国建国の王、カメハメハ大王像/ホノルル

19世紀初頭にハワイ諸島統一を成し遂げたカメハメハ大王の像は、ハワイのシンボルであり、ホノルル観光の定番中の定番。実はイオラニ宮殿にあるこの銅像は2作目!? 別人がモデル!? など、銅像にまつわる裏話とともにご紹介します。

森谷 貴子

執筆者:森谷 貴子

ハワイガイド

裏話が面白い! ハワイのシンボル、カメハメハ大王像

ホノルル、ダウンタウンに立つカメハメハ大王像。台座には大王の偉業を伝える4枚のレリーフが飾られている

ホノルル、ダウンタウンに立つカメハメハ大王像。台座には大王の偉業を伝える4枚のレリーフが飾られている

ダウンタウン、イオラニ宮殿正面。金色のマントとヘルメットという古代ハワイの衣装をまとい歓迎のポーズをとるのは、ハワイ諸島を統一してハワイ王国を築きあげたカメハメハ一世(1758推定~1819)の銅像。いわずと知れたハワイの偉大な王様です。

カメハメハなしに今のハワイはない! 大王の偉業とは?

オアフの観光スポット、ヌウアヌ・パリ展望台。カメハメハ大王がオアフ軍を追い詰め、何百という戦士を崖下に落とした戦場でもある

オアフの観光スポット、ヌウアヌ・パリ展望台。カメハメハ大王がオアフ軍を追い詰め、何百という戦士を崖下に落とした戦場でもある

ハワイ島北部のカパアウで首長の甥として生まれたカメハメハ一世。島や地域ごとに首長が仕切り、戦いが絶えなかった当時のハワイで、西洋人から英語を学び、そして入手した大砲などの火器と戦術を使って、1792年にハワイ島を統一。1794年までにマウイ、モロカイ、ラナイ島を手中に収めました。

1795年にはオアフ島に侵攻し、ヌウアヌ・パリの戦いで圧勝。同年ハワイ王国を建国後、カウアイ、ニイハウ島を戦うことなく支配して、1810年ハワイ全島統一を成し遂げたのです。その後王国は、1893年の崩壊まで約100年間王政を維持。優れた外交能力を持ったカメハメハ一世が在位した24年間は、西洋諸国とも良好な関係を保ち、最も平和な時代だったといいます。

カメハメハ大王像は、全部で4体ある!

こちらはカメハメハ大王の生誕地、ハワイ島カパアウに立つ像。実はこちらがオリジナル(1体目)

こちらはカメハメハ大王の生誕地、ハワイ島カパアウに立つ像。実はこちらがオリジナル(1体目)

ホノルルのカメハメハ大王像は、1883年に行われた7代目の王カラカウアの戴冠式の際に建立されました。実は、この大王像は2体目。1体目は、1880年にパリの鋳造所で作られたものの、船で運送中に嵐に遭い沈没。残っていた鋳型で急遽2作目が作られました。その後、海から引き上げられた1作目は、1912年にカメハメハ一世生誕の地とされるハワイ島カパアウに建立されます。

ハワイ島ヒロに立つ、4体目のカメハメハ大王像

ハワイ島ヒロに立つ、4体目のカメハメハ大王像

3体目の大王像は、1969年に全米50州の歴史的な人物の像を展示する国会議事堂の国立彫像ホール・コレクション(ワシントンDC)におさめられました。こちらは、ホノルルの大王像から鋳型をとって複製したもの。また、大王像はハワイ島ヒロのワイロア州立公園にもう1体ありますが、こちらは1998年に町おこしで建立したもので、上記の3体とは別の鋳型で作られています。

<参考サイト>
National Statuary Hall Collection(国立彫像ホール・コレクション)

イケメン大王のモデルは別人!?

ホノルルのカメハメハ大王像。グッと寄るとかなりのイケメン

ホノルルのカメハメハ大王像。グッと寄るとかなりのイケメン

筋骨たくましくハンサムな大王像ですが、別のモデルがいたというのは有名な話です。モデルについては諸説あり、建立当時の王、カラカウアの知人だったとか、宮廷の中から美男子を選んだとか、パーツ別のモデルが数人いたという話も。

カメハメハ一世の肖像画

カメハメハ一世の肖像画

カメハメハ一世本人は、身長が2メートル近くあり、巨漢だったと言われています。肖像画として残るカメハメハ一世もかなり体格が良さそう。ちなみに「カメハメハ(Kamehameha)」とは、ハワイ語で孤独な人、静かな人という意味です。 

記念写真の後には、こちらもチェック!

人気の記念撮影スポットでもある大王像。同じポーズで写真を撮る人も

人気の記念撮影スポットでもある大王像。同じポーズで写真を撮る人も

左手に槍を持ち、右手を掲げる大王像。槍は国家を守る彼の能力を表し、掲げた右手は歓迎の挨拶「アロハ」のジェスチャーだと言います。台座には、大王の偉業を伝える4枚のレリーフが飾られているので、こちらもチェックを。

大王像後ろの建物は、「アリイオラニ・ハレ」と呼ばれるハワイ州最高裁判所です。5代目の王カメハメハ五世が宮殿として建造しましたが、1874年の完成前に亡くなったため、司法センター兼裁判所として使われました。現在、館内には司法歴史センターがあり、無料公開されています。

6月11日は、キング・カメハメハ・デー

クレーン車を使って長さ4メートル以上のレイをカメハメハ大王像にかける「デコレーション・セレモニー」

クレーン車を使って長さ4メートル以上のレイをカメハメハ大王像にかける「デコレーション・セレモニー」

毎年6月11日は、カメハメハ一世の功績をたたえるハワイ州の祝日「キング・カメハメハ・デー」です。その歴史は古く、1871年にハワイ王国5代目の王カメハメハ五世によって制定されました。現在、6月11日直前の週末には、銅像に長いレイを掛けるデコレーション・セレモニーや、ダウンタウンからワイキキまでのフローラル・パレードなどを行う祭り「キング・カメハメハ・セレブレーション」が開催されています。

カメハメハ大王の遺骨の謎

ハワイ島カイルア・コナには、大王が住んでいたと言われる草葺きの家が復元されている

ハワイ島カイルア・コナには、大王が住んでいたと言われる草葺きの家が復元されている

最後に、大王にまつわる話をもう1つ。晩年をハワイ島カイルア・コナで過ごし、その地で亡くなったカメハメハ一世ですが、偉大な王の骨には強力なマナ(霊力)が宿っていると言われていたため、そのパワーを悪用されないよう、遺骨は親近者によって密かに葬られたそうです。今でも遺骨の安置場所は明らかになっておらず、謎に包まれたままです。


<DATA>
■King Kamehameha I Statue(カメハメハ大王像)
住所:ダウンタウン サウスキング通り沿い、イオラニ宮殿向かい
アクセス:ワイキキ・クヒオ通り山側バス停からザ・バス2番、エクスプレスEでサウスベレタニア通りの州政庁前バス停下車。1ブロック海側のサウスキング通りまで徒歩約5分。ほか13番・19番でも。復路は大王像前のサウスキング通りバス停から

Judiciary History Center(司法歴史センター)
住所:417 South King St. ハワイ州最高裁判所内
TEL:808-539-4999
開館時間:月~金曜8:00~16:00
料金:入場無料Save
SaveSave
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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