カラフルに丘を染め上げる秩父・羊山公園の芝桜／埼玉

桜といえば、少し背の高い木に美しい薄桃色の花がたくさん咲いているのを思い浮かべる方が多いと思います。でも今回ご紹介するのはそんな桜とはひと味違う、花畑にじゅうたんのように群生して咲く芝桜です。色とりどりの芝桜が公園の丘を埋め尽くす秩父の羊山公園に出かけてみましょう。

武甲山をバックに美しく広がる羊山公園の芝桜

羊山公園（Googleマップ）は、秩父市の中心部に近い丘の上にある公園です。

毎年春を迎えると公園の一角に植えられた色とりどりの芝桜が咲き、秩父のシンボルである武甲山をバックに美しい風景を魅せてくれます。

芝桜ってどんな桜？

まず羊山公園を美しく彩る「芝桜」について、少し勉強しておきましょう。

原産地は北アメリカ東部で、「花爪草」という別名があります。ソメイヨシノやヒガンザクラなどの良く知られている桜は植物の分類としては"バラ科"に属しますが、芝桜は"ハナシノブ科"に属しており、まったく別のものといえます。

なぜ芝桜という名前がついているかというと、広い範囲に群生して春以外は葉っぱが芝生のように見え、春は桜に似た花びらを持つ花が一面に咲くことから芝桜と呼ばれるようになったそうです。ちなみに芝桜にはいろいろな品種があり、桃色、白、青、紫、赤などさまざまな色の花をつけます。

羊山公園へは最寄り駅から急坂を登って徒歩約20分

最寄り駅である西武秩父駅、秩父鉄道 御花畑駅から羊山公園までの距離は徒歩約20分。

ただし、羊山公園自体が丘の上にあることから、一番短いコースを行くと最後に松坂という勾配のきつい急坂が待ち構えています。ちなみに松坂の通称はずはり「汗見坂」。歩きやすい靴で所々で休憩しつつゆっくりと登っていきましょう。

なお西武秩父線は羊山公園の下をトンネルで通過していて、松坂の途中からも線路や電車を見ることができます。松坂を登りきった先が羊山公園。目指す「芝桜の丘」は公園の一番奥に位置しています。 ちなみに羊山公園の名前ですが、戦前に埼玉県の綿羊牧畜場がここにあって綿羊を育てていたので「羊山」という名前がついたとのこと。現在は「芝桜の丘」の手前にあるふれあい牧場で羊がいるシーンを見ることができますよ。

カラフルな芝桜が彩った美しい風景を満喫しましょう

羊がいたふれあい牧場の先に「芝桜の丘」があります。中に入ると目の前にはじゅうたんを敷きつめたかのような芝桜が描く鮮やかな模様が広がります。 羊山公園では2000年から公園の中に芝桜を植え始め、1万7600平方メートルの敷地の中に、10種類40万株以上の芝桜が植えられています。

色とりどりの芝桜が一面に広がり、秩父のシンボルでもある武甲山と組み合わせた眺めはまさに圧巻ですね。 丘の起伏を生かしてさまざまなパターンの絵柄が見えるように芝桜の植栽が工夫されていますので、お気に入りのアングルを探しながら歩いてみましょう。

芝桜は徐々に開花していくことと、早咲き・遅咲きの品種があるため、例年4月中旬から5月上旬までの間でどこかの場所で芝桜が咲いている状態になります。秩父観光なびのWebサイトでは、過去の開花状況を掲載していますので旅する時期の参考にしてみて下さい。

桜やチューリップもあわせて楽しめますよ

芝桜が大人気の羊山公園ですが、実はソメイヨシノやしだれ桜の名所でもあります。4月上旬から中旬にかけてソメイヨシノとしだれ桜などの桜が咲き、武甲山との組み合わせが楽しめます。 芝桜の開花時期とは若干のずれがありますが、その年の気候によっては、ソメイヨシノ、しだれ桜と芝桜の両方を鑑賞することも可能です。 また「芝桜の丘」の一角には、色とりどりのチューリップが植栽されていて、こちらも芝桜に負けないくらいカラフルな風景を見せてくれます。ゆっくり時間を取って鑑賞することをお勧めします。
春限定のカラフルな風景を楽しめる秩父・羊山公園の芝桜をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。秩父には毎年12月開催の「日本三大曳山祭」の一つ、秩父夜祭の舞台となる秩父神社や秩父観音札所などたくさんの古刹も揃いますので、春の休日の旅として秩父・羊山公園へ出かけてみて下さい。

秩父・羊山公園へのアクセス

地図：Googleマップ
入園料：8時～17時 大人（中学生以上）300円
アクセス：
＜鉄道＞ ・JR東日本 上越新幹線・高崎線 熊谷駅より秩父鉄道に乗車し、御花畑駅下車。
　週末や繁忙期を中心に運行するSLパレオエクスプレスも、御花畑駅に停車します。 ・JR東日本 池袋駅より、西武鉄道 特急「ちちぶ」または土休日のみ運行のＳ－ＴＲＡＩＮに乗車し、西武秩父駅下車。西武秩父駅と御花畑駅は隣接しています。
・西武秩父駅、御花畑駅から羊山公園まで徒歩約20分。

＜車＞
・関越道 花園インターチェンジより、国道140号線と皆野寄居有料道路を経て、秩父市内へ。
または圏央道 狭山日高インターチェンジから、国道299号線を経て、秩父市内へ。
なお芝桜の開花時期は、羊山公園を含めた秩父市内周辺の道路が大変混雑します。
また駐車場は臨時の駐車場が多数設置されるものの入場待ちを余儀なくされます。
時間に余裕を持っておくと良いでしょう。

【関連サイト】

• 芝桜の丘（羊山公園）（秩父観光なび）
• 西武鉄道
• 秩父鉄道

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