パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

松下パン店(茨城・水戸)(3ページ目)

昔ながらのパン屋さん。開店時間はいつもきまって午後2時前後。その日のよって多少のズレはありますが、開店間近になると、店先にどっと人が押し寄せてきます。

執筆者:来栖 けい

甘い菓子パンも人気です。特に気に入っているのは「あんドーナツパン」(89円)。ボク自身があり得ないほどのあんこ好きなので、和菓子屋はもちろん、パン屋でも「あん」と名のつくものは必ず購入するのですが、この一品は「あんドーナツ部門」、文句なしのNo.1です。

通常のあんドーナツと比べて優れている点は、生地が備えるコシの強さ。「あんパン」(84円)も生地のコシは強いですが、それにも増して存在感があります。噛めばもちろん、その断面をみても一目瞭然。噛み切った跡がくっきりと残り、今にも破裂しそうなくらいパンパンに膨らんでいるのです。その断面の違いは、他のあんドーナツと比較すればはっきりとわかるはず。

中に包まれているこし餡もレヴェル高し! 色も甘みも実にキレイで、スーッと消える儚い余韻。ほんのり塩気も感じられ、とてもキレのある味わいです。噛み締めていると、そのキレと、揚げることで宿った生地のコク(もちろん油っこさなど微塵もありません)が渾然となるので、そのおいしさもさらにアップ。表面に塗されたグラニュー糖のシャリシャリ感も非常に心地いいですね。

予約必須! 口の中で味が膨らむ食パン

また、一番人気の「食パン」(1斤189円 1本567円)は、よほど運のいい人でないと店頭での購入は難しいので、前もって予約をしておいたほうがいいでしょう。

まず最初に驚かされるのが、コシの強さと引きの強さ。クラムはもちろん、クラストまで強い。よって、咀嚼時間は自然と長くなるわけですが、その時間こそ、この食パンにはなくてはならない時間。噛み締めるほどに出てくる甘み、旨み、風味が、ハンパじゃないほど強いのです。

風船のように徐々に徐々に膨れ上がっていく。「味の膨張力」がこれほど大きい食パンをボクは知りません。特に、甘みには圧巻。クラムもクラストも強烈に甘いんです。しかもそれは砂糖の甘みではなく、穀物の持つ自然な甘み。意識しなくても、その甘みには全神経が向けられてしまうほど。飲み込む直前まで、その甘みは強まり続けます。

そして、その直後、口の中に何もなくなると同時に膨れ上がってくるのが、芳醇な香り。この香りは、その後もしばらく消えることはなく、余韻の中心的役割を担う存在となるのです。これらの味の流れをフルに堪能するなら、絶対に「生食」がいい! バターも全く必要ありません。1日経つと、引きこそ弱くなりますが、味わい的にはまだいけるので、トーストするならその後で。

【店舗情報】
所在地:水戸市河和田2丁目24-6 
TEL:029-252-8540
定休日:日・月・火(他、不定休)
地図:Yahoo!地図情報
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